物凄く久しぶりに連投。

相変わらず蘭厳しめです。蘭ファンはバックプリーズ。

 

 

不意に工藤新一が表情を改めました。

「あなたが俺に対して警戒心を持つのは解ります。だからこそ、俺のことを知って欲しい」

「―――だから、友人からという事ですか?」

「ええ。最初から『許婚』は、あなたが言う通り重いでしょうし。これが一番いい落としどころだと思いますが、いかがですか?」

真剣な表情から一転、今度は何処かワンコのような様相を見せています。コナンの経験などないくせに、いえ、元は同じですからおかしくはないのかもしれないですが、このあざとさはそのものです。

「そうですねぇ…。ですけど、一年生と三年生って、それだけで結構な距離がありますよ」

「別に断絶するものの程ではないでしょう」

手強いですね。

解っていた事ではありますが、本気の彼の意思を翻させる事が出来る人なんていないのでしょうね。

とりあえず、一応友人づきあいをして、その中で彼に嫌われるように振舞うのが一番いい方法な気がします。

……はて?

彼が嫌いになった人って作中に居ましたっけ?

同情の余地もないような犯罪者に対しても怒りはありましたが、嫌いとか憎いとかはなかったような。

これは困りましたね。

嫌われる、ではなく、無関心になって貰う方がいいのかもしれません。そうは言っても、無関心になって貰う方が嫌われるより難易度が高そうです。

「どうしました?」

「解りました。それでいいです。ですが、私から連絡を入れることはないと思って下さい」

「まぁ、そうなりますよね。そしてそれは貴女個人の携帯などではなく、貴女の自宅の家電にという事ですよね」

この不屈の精神力…。

私の対応はやっぱり塩対応の域を出ていない筈ですが、何故全く凹まないんでしょうか。

「知っているんですか?」

「それは母親同士が友人ですから、別におかしくはないでしょう?」

「そうですね。ではそれで」

私がこれでこの話は終わり、とすぐに立ち上がったのを見て、彼はやっと少しばかり微妙な表情になりました。

残念そう、悲しそう、不満そう…そんな感じ。

でも呆れや憤りや怒り、そう言ったものはなさそうなのが、彼の根本のお人好しさが見て取れます。

本当に。

あなたの家が普通の家で、あなた自身も普通の男の子で、あんな地雷幼馴染みに粘着されてなければ、私もこんなに拒否したりはしないんですが…それはもう「工藤新一」ではないですね。

 

 

しかし短い。