一月も既に半分が過ぎ、本当に時間が経つのって早いなぁ…と思うようになったのは何時からだろう。
相変わらず蘭厳しめです。蘭ファンはバックプリーズ。
工藤新一に一目惚れされていたという衝撃の事実に、私は冗談抜きでフリーズしてしまいました。
いえ、固まっている場合ではありません。
「…ではどうして、今まで何もしなかったのでしょう?」
「多分、ハル姉さんと勇樹さんに認めて貰う方を優先したんだと思うわ」
そう言えば、そう言う話でした。
お互いの両親が相手が我が子に相応しいと判断したら、この縁談を子どもに教えていい、と。
…私の両親の判断基準ってそんなに厳しいんでしょうか?
「でしたら、私を認めて下さったのは?」
「う~ん。一言で言うのは難しいんだけど」
まぁ、それはそうでしょうね。
「まず、文武両道」
そこまで?確かに兄二人に見劣りしないように、兄に群がる女たちに侮られないように、必死に食いついてはいましたが…それでも兄達に比べればかなり落ちるのが事実です。
もしかしたら、あの二人と比べる事自体、基準が狂ってるのかもしれません。
「そして自立心がある」
それは今どきの女性としたら、それ程珍しくないのでは?確かに毛利蘭のような女もいるのは事実ですけど。
「友人が多くて、コミュ力が高い」
前世の記憶がある分、精神年齢が他より高いので自然とそうなっただけです。
「それから新ちゃんの横にいても、お互いがコンプレックスを感じない程度の釣り合った容姿」
え?それはお二人とも眼科に行った方がいいのでは?
そこまで話して、有希子ママが小さく溜息を吐きました。
…何かあったでしょうか?
「ハル姉さんが言ってたけど、麗音ちゃんって本当に自己評価が低いのね」
私の表情や仕種から内心を読み取った、という事でしょうか?
流石は優作氏の妻で、工藤新一の母親。二人には及ばずとも洞察力が優れています。
でも私の自己評価は正当なものだと思います。
そう言えば、「コナン世界」では自己評価が低いメインキャラって、あんまりいなかったような…?
「自己評価が高すぎて傲慢だったり、マウントを取りたがるのも問題だけど、あんまり自信がないのもダメよ?」
「全くない訳ではありませんけど」
「ええ。全くだったら生徒会長なんて出来ないとは思うわ。でも、やっぱりちょっと…お兄さん達が優秀過ぎるせいかしら?」
それはもしかして、母がそれで悩んでいる、のでしょうか?
「とりあえず、麗音ちゃんが自分をどう思っていても、私達はあなたを息子の相手と相応しいと思ったの。それは忘れないでいてね」
「はい」
納得できる訳ではありませんが、ここは頷いておきましょう。何だか話の本筋がズレてしまったので、元に戻さないといけませんからね。
有希子ママが少しばかり困ったような苦笑を零したのは…また見透かされてしまったのかもしれません。