ほぼ一ヶ月ぶりです…。
相変わらず蘭厳しめです。蘭ファンはバックプリーズ。
有希子ママは公式通りにとても華やかで明るく、優しい人でした。
ただ何と言いましょうか、昔ながらの純和風なうちの家にはちょっと馴染まない感じですね。
我が家は子ども部屋3室以外は全て畳と言う、今時珍しい造りなのです。いえ、元々古い家で、私達が生まれてから子ども部屋だけリフォームしたのですけどね。
「私が知ってる蘭ちゃんって、ちょっと泣き虫で、それでいて気が強い…うん、正直に言っちゃうと我儘な所のある子だったわね」
原作と違うと言うのはもう解っていますが、それにしても随分ハッキリ言いましたね。
「でも、あんなストーカー染みた行動をするような子じゃなかったのよね」
有希子ママは一つ溜息を吐きました。
「もしかしたら、私達が新ちゃんを一人にしちゃったせいなのかしら」
その可能性はありますよね。
親がいる時にそんな行動をするのは、愚行以外の何物でもありません。
「でも、だからと言ってすぐ帰国という訳には行きませんよね?」
「ええ、一番いいのは新ちゃんも一緒にアメリカに留学して貰う事なんだけど、どうも麗音ちゃんのことをすごく気に入ったみたいで、絶対この一年で落として見せるからって言い張るのよ」
お口パッカーンしてしまいました。
「まぁ、新ちゃんが日本に残ったそもそもの理由が麗音ちゃんの存在だから、それは驚きはしないんだけど」
私の表情に有希子ママが苦笑しながら、そう説明してくれました。
そう言えば、私のことを知ったのは二年前、と言っていたような気が…それにしたってどうして何が理由で、そこまで私のことを好きになると言うのでしょうか。
初対面は、あの入学式の日、その筈です。
「あの…それが解らないんですけど…どうして会った事もないのに…」
「私と優作が認めた、と言うのが第一の理由ね」
確かにこの二人の人を見る目は厳しいと思います。
でも、あの自立心旺盛で、有希子ママへはともかく優作氏には対抗心(あれは反抗期とは違うでしょう)満載の工藤新一が?
「それから去年、高校の学祭に貴女を直接見に行って一目惚れしたらしいわ」
―――――工藤新一の一目惚れ。
これは…これは逃れようがないのでは?
幼稚園の時の一目惚れを高校生まで引きずって、毛利蘭の人間性をちゃんと吟味もせずに、盲目的に「自分は毛利蘭が好きだ」と言うのをアイデンティティのようにまでしてしまった人ですよ。
いえ、いえ、ここまで色々と原作とは違うのですから、工藤新一の恋愛観も多少なりと違っている筈です。
それに、毛利蘭への初恋は卒業してるのですから…あら?初恋自体してないなんて事はありませんよね?
純粋に一人の人を愛し続けると言うのは素敵な事だと思うのですが…工藤新一のアレは一途と言うより洗脳込みな気がしてならなくて。
中学生になってからの事ですから、もう少しは冷静かつ盲目ではないと思いたいです。