漸く体調が落ち着いてきました。
それでも例年よりは薬が減らなかったかな。
相変わらず蘭厳しめです。蘭ファンはバックプリーズ。
彼らの姿を見かけてから、更に数日。
未だに何の進展もないようです。
解ってます、解ってますよ。あの只管面倒くさい、色々拗らせている似非エンジェルの問題がそう簡単に片付く筈がありません。
ただ今日、有希子ママから「私宛」にTELがありました。
ああ、母親経由ですけどね。
「直接お話するのは初めてね、麗音ちゃん。今回は色々驚かせてしまって御免なさい」
「初めまして、麗音です。えぇと…」
「ウフフ。『おばさん』系以外なら呼び方は何でもいいわよ?」
「それでは有希子さん」
一番一般的な呼び方で行きましょう。
流石に「コナン」ファンだった頃の「ママ」呼びは出来ません。と言うかそんな呼び方してしまったら「婚約」を受け入れている事になってしまいます。
「あら、ちょっと他人行儀ね。ママとかお義母さんでもいいのよ」
――――止めて下さい。
「でも仕方ないわね。まだ直接会ってもいないんだもの」
はい、そう言う事です。
ただ永遠にそう呼ぶ気はありませんし、そうならないように行動させて貰いますけど。
モブでいいんです。
セレブ一家に加わる気なんてありません!
そう言ってしまいたい。言ってしまいたいけれど、何故かこの縁談に両家の大人が乗り気なので、直接言うのは流石に憚られます。
「それで本題なんだけど」
「はい」
「本当はもっと早く連絡した方が良かったのは解ってるの。でもハル姉さんや麗音ちゃんのお話と、私が知っている蘭ちゃんが一致しなくて。疑うようで悪いんだけど、調査してたのよ」
母のことをそう呼んでいるのですね。
母の名は晴陽(はるひ)で、子どもの名前が天候系なのはここからきています。
「いえ、それは構いません。毛利さんのことも知っているのですから、信じられない気持ちは解りますから」
「ありがとう。麗音ちゃんが冷静な子で良かったわ」
有希子ママが直接知っている頃の毛利蘭がどんな風だったか知りませんが、少なくとも今ほど図々しくはなかったのでしょう。
でも工藤新一との様子を見ていると、原作のような「工藤邸に我が物で入りびたって、恩着せがましく通い妻面」はしていないと思うのですが。
この辺りの関係が今一つ解りません。
「ビックリしたわ。私達が日本にいた頃は、あそこまで新ちゃんに付き纏うような事はしていなかったから」
映像込みの調査結果を送られたのでしょうね。
多分、工藤新一に断られても工藤邸に押しかける事位はしているのでしょう。そうでなければ、こんな風な言葉は出てこない筈です。
「とりあえず、もう少し待ってくれるかしら。今は新ちゃんに抑えて貰ってるの。こっちのスケジュールを調整してるから…そうね、一週間以内には帰国して来れるから」
「え…っ?」
「麗音ちゃんとの事がなくても、あれじゃ新ちゃんに迷惑かけまくりですもの。あのままじゃ新ちゃん、誰ともお付き合い出来ないわ」
二次で偶に見かけた毛利蘭至上主義の毒親ではないようで、安心しました。
尤もそうだとしたら、工藤新一があそこまで塩対応は出来ないとも思いますから、当然でしょうか。
…ただ、最初の言葉を思い出すと、直接私に会いに来そうでもありますが…それより毛利蘭を大人しくさせてくれる方が重要です。
と言うか、画面越しですら美人ですのに、直接会ったらどれだけ美しいと言うのか…今から志保ちゃんで免疫を強化しておきましょう。