そろそろ救済編の終了が見えてきました。

救済と言う程、蘭に優しくない展開ですが…私にはこれが精一杯なんですよ。

そもそも私の中には、理解力のある、自らを省みて反省出来る蘭なんて存在してないので。

蘭厳しめです。+毛利夫妻。三人のファンはバックプリーズ。

 

 

その日蘭は、久しぶりに明るい気持ちで帰途についた。

全てが上手く回るようになるとは思わないが、少なくとも針の筵のような気持にはならなくて済むだろう。

その蘭を見送って、園子は少しばかり表情を曇らせた。

蘭の置かれている現状が改善された事自体は嬉しい。けれど…そこで自分に対しては何もないのが何だかモヤモヤする。

確かにあの放課後に蘭へあれこれとアドバイスをして以降は、園子も蘭には関わってこなかった。

それは自分が傍にいては、どうしても蘭が自分に甘えてしまって先に進めないだろうと言う思いからだったのだが、その自分の行動を蘭はどう受け取っていたのだろう?

“味方をしてくれない私には、用はないって事?”

園子もまだ中学生になったばかりなのだ。

そうそう、おおらかに蘭を見守る事など出来はしない。新一にそうしたように、もう少し自分にも何か言葉をくれてもいいのではないかと言う思いが湧いてくるのは止められない。

園子は一つ溜息を吐くと、テニス部へと向かった。

今日は新一と一応の和解が出来た事で浮かれているだけ。

落ち着いたらきっと自分にも声をかけてくれる筈。

そう、信じて。

 

一方の蘭には、園子の葛藤など全く思い浮かんでいなかった。

完全に許してくれたとは言い難いけれど、それでも新一が蘭を無視するような状況ではなくなったし、周りのクラスメート達とも友人になれる可能性が出てきた事にばかり、気を取られていた。

そして、この事を小五郎と英理に報告して二人を安心させたい、と言う気持ちが先走っていた。

余りにもナチュラルに園子が後回しと言う形になっているのは、やはりそれも園子への甘えと言っていいだろう。

園子なら、全部許して自分を受け入れてくれる、と言う依存。

後回しにされた事で、園子が傷付く可能性にも気付いていないのだ。

尤もこれは、そう言う態度を取り続けていた園子にも問題があると言えない事もない。

とはいえ、ずっと自分のことを最優先にしてくれていた相手を、自分の方は後回しにすると言う行為は褒められたものではないのも確かだ。

“早く、お父さんとお母さんに言わなきゃ”

それだけが蘭の中にあった。

優作はともかく、有希子は両親と幼馴染みで仲が良かった。

親の友情を自分がぶち壊してしまったのかもしれないと思うと、それも怖かった。

階段を駆け上がると、家に飛び込む。

英理の引っ越しが無事に済んで、以前より荷物が増えた家。手狭にはなったけれど、それすら蘭にとっては嬉しい出来事だ。

中にいたのは英理ではなく、小五郎。

何時もならこの時間帯は下の事務所にいるのだが、どうしたのだろう。蘭は小首を傾げたが、小五郎は娘を見て「お帰り、蘭」と笑ってくれた。