「約ネバ」はいよいよ佳境に入ってきました。全ての決着がつくのか、それとも?しかしノーマンの心証が滅茶苦茶悪くなってしまったようです。
でもって、今までずっと新一と成り代わりさんの視点でしたが、これからは別人物の視点も挟み込んでいきます<(_ _)>
蘭成り代わり、本来の蘭に厳しめSSです。蘭ファンはバックプリーズ。
本来は今回の件には全く無関係だった筈の少女・毛利蘭。
だが…俺の協力者だった工藤新一が関わってしまった事で、そうもいかなくなってしまった。
まずこちらで彼女のことを調べてみたが、将来はオリンピック候補となるだろう陸上選手であり、学校の成績も上々、また友人も多く、頼りにされる事も多い。
工藤君の幼馴染らしいと言うか、かなり優秀な少女だ。
明るい性格だが、はしゃぎ回るような事はなく落ち着いている。工藤君の話によれば、幼い頃から非常に大人びていたという。とはいえ優秀ではあるが、ギフテッドと言う程のものは持っていない、普通の少女と言っていいだろう。
それだけならば、俺がこうして彼女の近くに潜入する必要はなかった。
殺した人間の事は一晩も経たずに忘れてしまうジンとは違い、ウォッカは念の為に工藤君の事を調べたらしい。
親が有名人だったことが災いし、彼が身バレするのは早かった。
ただその場でもう「死亡」とされている少年だし、彼自身が目立つような事はしていなかった為に、捜査一課や公安の協力者である事までは今の所は行きついていないし…恐らくこの時点で彼に関する調査は終了する。
不運だったのは、二人が一度ニューヨークでベルモットと接触していた事だ。
その為に工藤君に一番親しい他人である彼女が、アメリカにいる両親よりも死の間際に彼に助けを求められたかもしれない、何らかのメッセージを受け取っているかもしれない、とみなされたのだ。
それだけでなく、両親ともに司法に携わる人間だったのもマズかった。
特に捜査一課の刑事である父親の存在が重視された。
また、工藤君の両親がマスコミに強い影響力を持ち、父親の優作氏に至ってはあちこちの捜査関係機関に顔が利くという、少々一般人とは言い難い存在だったのも大きい。
そして少女は、その二人にも気に入れられ、可愛がられている。
更に言えば、あの鈴木財閥の次女と親友関係にある。
普段であれば疑わしきは即殺害、の組織だが…彼女の関わっている人や物の大きさに、一旦静観としたのだ。
流石に鈴木財閥にまで手を伸ばすのはマズいと判断したらしい。(施設の破壊と関係者自身―――それも総帥の家族―――の殺害は別物だ)
逆に言えば、工藤君の死をネタに脅迫する可能性もあるのだ。
お前も殺されたくなければ、こちらに協力しろ、と。
鈴木財閥を取り込む手助けをしろ、と。
とはいえ、今はその段階ではなく、調べた限りの彼女の性格からするに、無謀を承知、犬死承知で牙をむく可能性も高い。
それこそ周囲を巻き込んででも。
まぁつまり、彼女が余計な事をしないかの監視である。
あの組織にしては随分甘い事だと思うが、それだけ彼女の影響力が馬鹿に出来ない、という事でもある。
そして工藤君の「休学」についても、組織は一人息子の死を信じたくない両親が、それを受け入れられるような心理状態になるまでの一時しのぎだと判断していた。
――――――実際、死体が発見されていないのだから、何とも言えない事ではある。
上の判断に物申すだけの発言力は、まだ「バーボン」にはないから仕方がない。
とりあえず、暫くは監視と言う名の護衛をしよう。
それにしても「安室透」と接して、顔色一つ変えないとは。
工藤君を見て育ったからイケメンに免疫が出来ているのだろうか。
黒の組織ってやる事(特に破壊行動)が大きい割に、結構杜撰だったりするよなー、と。細かい部分を疎かにし勝ちというか。
