地震の次は大雨が来ております。大雨、洪水、土砂災害警報があっちこっちで出てますねぇ。

そう言う時期ではあるんですが…なるべく災害にまではならないで欲しいものです。

容赦なく蘭厳しめです。蘭ファンはバックプリーズ。

 

 

目覚めたら全く知らない場所にいた蘭は混乱した。

「お、お父さん…ここ、何処なの?」

「引っ越し先だよ。言ってただろ」

「な…っ私は嫌だって言ったじゃない!何でそんな事」

「なら、お前はずっとあのままでも良かったってのか」

「それは…でも、新一が」

「認めろ。工藤新一はもういねぇ。本当はおめーだって解ってんだろ?」

冷徹に事実を突き付ける小五郎に、蘭はやはり駄々っ子のように髪を振り乱して首を振る。

「…それに悪い事ばっかりでもねぇ」

「…え?」

「10日後に、英理もやって来る」

それに蘭は目を瞬かせた。

今まで何をやっても戻ってこなかった英理が?戻ってこれる機会を何度も潰していた母が?

「本当…に?」

「ああ。俺達に謝りてぇ、償いてぇ…そう言ってたよ」

小五郎の言葉を理解するのに、暫くかかったようだが…少しして蘭の瞳からボロボロと涙が零れ始めた。

「新一…新一だ…」

「蘭?」

「きっと新一の最後の贈り物なんだ。私の一番の望み、叶えてくれた」

「おめー」

的外れとしか言えない言葉だったが、小五郎はあえて否定の言葉を言うのを止めた。これで蘭の精神が少しでも落ち着くのなら、今はそれでいい。

 

そうして小五郎の言葉より二日早く、英理がやってきた。

立派な応接セットや絨毯、その他の必要ない家具、仕事用のスーツや靴などを売り払い、当面の生活費を工面して。

「お母さん!」

小さな子供のように抱き着いてきた蘭を、英理はそのまま受け止めた。

バサバサの髪、ニキビや炎症が目立つ肌、そしてすっかり崩れてしまったスタイル。

自分の罪が目に見える形で突き付けられたようで、英理はきつく唇を噛み締めた。

だが、蘭が顔を上げると、にっこり微笑んで見せた。

「これからは、ずっと一緒だよね?もう出て行ったりしないんだよね?」

「ええ。今までごめんなさい、蘭。これからはちゃんと母親になるわ」

「うん、うん」

「お父さんともね、意地の張り合いは止めようって、約束したの」

手触りの悪い髪を、何度も撫でる。

すると、英理の後ろから小五郎が二人ごと抱き締めた。

「ゼロからの再出発だ。大変な事も多いだろうが、三人いれば何とでもなるさ」

蘭はともかく、これからの生活が言うほど簡単でない事は、小五郎にも英理にも解っている。

だが、自分達にとってこれが最後のチャンスだ。

そして自分達が「家族」として再生する事。それがきっと自分達が新一に出来る唯一の償いだ。

蘭が新一にした事は、確かに許される事ではなかったし、責められても仕方のない事が多かった。だがそれでも、彼が蘭の幸せを望んでいた事は疑いようがないし、自分達が…いや、人が幸せになる事を望まない人間ではない。

“それこそ、虫のいい話だが…おめーはそう言う人間だった筈だ”

見守っていてくれとまでは言わないが、きっと彼は祝福してくれるだろう。

 

 

長かった。やっと終わった!

前は一家離散だったけど、今度はとりあえず「幸せの可能性」を残してみました。

蟻地獄からはい出した訳ですが、これですんなり幸せになれるほど甘くはありませんから。

英理と蘭の母娘関係次第ですね。