さて、やっぱり昨夜はダメでした。いやまぁ、そんなに天体ショーとか興味がある訳でもないんで、別にいいんですが。

ただ、珍しいと聞いたんで見れるなら見たいな~、位で。本格的に好きな人とか、専門家とかだと、地団太ものかもしれませんが。

蘭は存在しませんが(基本)蘭厳しめSSです。蘭ファンはバックプリーズ。

 

 

流石にレストランの個室に全員呼ぶ訳にはいかず、新一達が公園へと向かった。

そして落ち合った後に、宿泊しているホテルへ戻る。

紅茶やコーヒー、ジュース類などを用意して、ジェイムズからの話を聞き始める。

「志保、大丈夫か?」

新一が重傷を負ったシーンに差し掛かった時に、新一がそっと志保に尋ねた。

「ええ。もう五年経ってるもの。折り合い位はつけてるわ」

「そうか、でも、無理そうだったら言えよ?」

「ありがとう。それより、貴方こそ平気なの?」

「前にも言ったろ?実感ねぇんだ。自分のことなのに、他人事にしか思えなくてな」

新一には、決戦に向かった記憶すらないのだ。

覚えているのは、その前段階である、大勢の人間と作戦を練っている所まで。

「そう。なら、いいのだけど」

囁くような声で話してはいたが、それ程大人数ではない上に、どうしてもこの話では当事者である二人には注目が集まる。

自然とジェイムズは話を中断して、周囲もそれに何も言わない。

「あ」

それに志保が小さく声を上げた。

「すみません、続けて下さい」

新一が言うと、ジェイムズは苦笑した。

新一と志保が普通に会話している事が嬉しくもあり、けれどこの「逆行」という奇跡がなければ、いや、それでも彼が一度死に、彼女が壊れかけた事は消せない事実なのだという、取り返しのつかない事への申し訳なさもあり…。

「そうか、では…」

だが、それは少なくともこの二人に聞かせていいものではないから、ジェイムズは言われるまま、話を再開した。

 

話しを終えると、ジェイムズは先刻新一と赤井と話していた問題を尋ねてみた。

それは、ジョディの事も含まれていた。

現場そのものにはいなかったが、二人から離れていた彼女の後悔も凄まじかった。勿論、それはジェイムズからの命令に従い、その行動自体には何の落ち度もないのだが、「護衛」である以上、階下への応援は他の者に任せて、自分は命令に逆らってでも二人から離れるべきではなかったのかもしれない、と言う考えがどうしても捨てられずにいたらしい。

「俺自身の判断ミスもある筈ですけど」

記憶がない以上、説得力もないが。

「終わった事を何時までも話していても、仕方がない。そして新一。お前は覚えていない事もあるが…この話を聞いても二人に対して怒りや恨みなど湧いてこないのだろう?」

優作の問いに、新一は頷いた。

「博士が言った仮説…この現象が俺を想う人達が起こした奇跡だって言うんなら、多分、その二人が一番じゃねーのかな。だったら、俺は寧ろ礼を言う。これは、俺だけじゃなく、志保も救ってくれた。結果論だけど、父さん達だって」

「そうだな。私達にもその記憶はないが…救われたのは確かだろうね。それは、新一の死の記憶がある面々は尚更だろう」

きっと少しだけでも足りなかったら、この奇跡は起きなかった筈だ。

「では、会うかね?」

ジェイムズの問いに、また新一は頷いた。

彼ら二人の傷は大きいだろう。

だが、この奇跡を知って、「生きている新一」と「壊れていない志保」と会う事は、救いにもならないだろうか。

 

 

新一が半端なくファザコンな感じに。

思考がウロウロしていた新一が、優作の言葉だけであっさり方向転換。