死ぬまでに行きたい所。
行けるのなら行った方が良いと聞く。
オプジーボの効果が出た。
延命治療が効果が出た。
そうは言っても、余命半年から一年だが。
その半年の10月は、どうやら超えれそうと考えられるようになっていた。
行きたい所に行った方が良い。
でもどこにも行く気持ちにならなった。
体調が悪すぎるから。
それが、寝れないぐらいの胸やけが治まり、歩くリハビリも続ける事も出来ていた。
行きたい所に、生きている内に行こうと決めた。
要介護4で、地方から東京へ。
一泊二日で東京であるイベント。
イベントを見る。ホテルに泊まる。
それだけにした。
飛行機の時間も、イベントが始まる時間から逆算し、
ホテルに荷物を置いて行けるぐらいのスケジュールに。
公共交通機関以外は、なるべく歩かなくていいように。
ホテルから会場も徒歩で激近に。
スカスカのキャリーバックを杖替わりに。
イベント終わりでホテルに戻り、翌朝飛行機で戻った。
想像よりも、公共交通機関内で歩く距離は多かった。
万歩計は、両日とも7000歩だった。
2018年ここまでで、最高記録。
飛行機では、トイレに立った時に、
気を失い、その場で脈拍などを取ってもらい、暫くそのまま横になった。
添乗員さんにはご迷惑をかけてしまった。
到着した羽田空港で、ベンチで横になって回復に努めた。
ホテルからイベント会場の徒歩も、数百メートルが遠かった。
足はボーのように。
イベントはそれほどだったが、元気だった頃のようで楽しめた。
翌朝、ホテルから羽田空港、地元の空港、公共交通機関を乗り継いで家に戻った。
誰にも内緒で行った。
反対されない訳が無いし、反対する事が正しいのも分かっていた。
移動はやはり辛く、
飛行機内ので失神、移動中も休憩しまくった。
地面に座りこんだら立てないので、座れそうな場所を見つけては、休憩した。
それでも、ホテルに泊まった時には、足は明日使えるのかと心配になるほどの疲労だった。
吸引機が無いのも大変だったので、家に戻った時の安心感は無かった。
行きたい所に生きている内に行った方が良いとは、こうゆう事なのだろうか?
気力だけで、強い意志だけで行ったようなものだった。
疲労回復に数日かかったが、
行けた事に満足していた。
元気だった頃のような行動が出来た事が嬉しかった。
今思い出しても、
無謀な事をしたもんだ。