やはりというか、
当然というか分からないが、
開口リハビリも終わった。
こちらも、
フェイドアウトするように自然と。
開口リハビリを行ってもらっていた歯科の先生にも、余命宣告された事を伝えた。
先生は、冷静で「そうですか」ぐらいの感じ。
この日を最後にリハビリにやって来る事はなくなった。
あっさりとした受け答えだった。
病院として、
涙を流してくれた理学療法士の対応が普通ではないのだろう。
余命宣告された反応がどうこうと思うような気持ちも一切なくて。
優しくされたいとか、誰かに助けてほしいとかという気持ちはなく、
只々、絶望の中にいるだけだった。
余命宣告された事を伝えたのは、
リハビリをして貰っている方々に、現状を知ってもらうのが誠意だと思っていたから。
でも、リハビリを止めたいとも思っていなかったのもあった。
開口リハビリで、一センチしか開かない口が開くようになり、
嚥下リハビリで、食事がある程度でも出来れはとも思っていた。
病院の仕組みなのか?、主治医の意向なのか?
理学療法士、歯科の先生の判断なのか?
誰の判断でリハビリが終わったのか分からないままだった。
本人にもはっきりと伝えられる事なくリハビリは終わっていった・・・
開口リハビリで使用する為に渡されていた器具も回収された。
そして、オプシーボの使用開始日が決まった。
余命告知された四日後、5月25日に。
最後の治療が始まる。