癌との共存。
先生が言う、抗がん剤治療。
選択肢は、一択で、「オプジーボ」だった。
オプジーボ(免疫チェックポイント阻害薬)は、がん免疫療法だ。
なので、先生は抗がん剤治療と説明していたが、
がん免疫療法なので違うのではとも思ったが、それは大した問題でもない。
2017年3月に頭頚部癌にも保険適用されるようになった。
使用されるようになって一年ちょっと。
その存在は知っていた、
手に負えない状況になった時に使用できて、
なおかつ通常の抗がん剤治療よりは、副作用が少ないとの認識だった。
頭頚部癌が保険適用になった時には喜んでもいた。
最後の砦がひとつ出来たと。
先生から、オプジーボの説明書と治療同意書が提示された。
一番に確認したのは、副作用。
- 間質性肺疾患
- 重症筋無力症・心筋炎・筋炎・横紋筋融解症
- 大腸炎・重度の下痢
- 1型糖尿病(劇症1型糖尿病を含む) ...
- 重篤(じゅうとく)な血液障害 ...
- 肝機能障害・肝炎・硬化性胆管炎
- 甲状腺機能障害 ...
- 神経障害 ...
- 腎障害
オプジーボは、3割の人に効果がでるが、自分が、その3割には入らないだろうと考えた。
そして、副作用だけを受けるだろうと。
後ろ向きな事を言うなと思う方もいらっしゃると思う。
それで、気分を悪くされる方々がいるのも当然。
でも、
何度も何度も治療しても、再々発。
幾度となく、数パーセント(一桁)と説明された手術の合併症にも何度もなった。
ほとんど可能性がないと、事前の説明すらなかった合併症にもだ。
現に今も、1月10日の15時間にも及ぶ手術の合併症等で、
4か月以上の入院中だったし。
「オプジーボ」を使用した場合も、
何らかの思い副作用に当たるだろうとしか考えられなかった。
3割の可能性を信じる力が、その時にはありませんでした。
なので、「オプジーボ」の治療に、
いやこれ以上の癌治療に期待が全く持てなかった・・・
「オプジーボ」が効果を発揮したとしてもが「半年から1年」の余命が
どれくらい伸びるのかも分からず、これ以上副作用が増えるのが耐えられなかった。
先生に言った。
「治療したくありません。」
先生は、
「PET検査で、転移も見られず、体、内臓が元気なのに、
治療しないのは、もったいない」
オプジーボの治療同意書には、こう書かれていた。
「根治不可」
余命宣告を現実的にする言葉に、目が釘付けになっていた。