この日の午前中、何故か、CT検査に行く事になった。

 

車椅子に座る事が、恐ろしく疲れる。

そのまま押して貰って、検査室に行くまでも、

座った状態が、堪らなくきつかった・・・

 

前日から、膿みだしの処置が、重症個室から、

処置室に移動して行うようになった。

移動距離は、10メートルも無い。

その距離の移動でも、きつかったが、

CT検査室へのエレベーターを利用しての移動は、辛かった。

 

検査が終わって、部屋に戻ると、

限界の体に、更に、相当な疲労が加わった。

 

 

そして、午後。

両親、親戚がお見舞いに来た。

体も心も、完全に壊れていた頃だ。

 

お見舞いで、身内の顔を、見れる事は大変嬉しかった。

 

だが、限界を超えていた心と体は、

そして、今考えるとまたしても、親不孝を炸裂させる。

 

筆談で、「尊厳死の書類を持ってきて。」

 

限界で、もう死にたいとは、両親親戚に直接は言っていないが、

同じような事を伝えた。

もう治療を受ける事が限界だと。

 

入院する前に、遺書と尊厳死宣言公正証書で渡していた書類。

 

尊厳死宣言公正証書。

 

これを先生に渡して、もう死にたいと考えていた。

 

実際、これは延命を願いませんちという証書で、

実際に殺してくれるわけではない。

 

もう、頭も回っていなかった。

どうせ頭が回らないなら、苦しみが遠くに行ってほしかったが・・・

 

両親、親戚は、

 「相当、苦しんだね・・・・」と言い、涙を流していた。

 

その時、自分も寝たままの状態で、涙を流した。

治療を諦める姿勢を見せる、

親不孝な行為。

 

手術を終えてから、日ごとに回復する事もなく、

限界を超えた状況が、日に日に悪くなる状況が、

エンドレスで、何日も続いていた。

 

菌血症の検査も、終わっておらず、高熱の原因も不明で、

治療すら始まっていなかった・・・

 

 

夜寝る事も出来なかったので、本当に長く、長く、感じていた。

その日々は、終わらないんじゃとも、絶望していた・・・