術後、

気管切開によるカニューレでの呼吸に慣れる事は、まだ無く。

体の状態も良くないまま。

 

看護師詰所の直ぐ後ろにある、重症個室。

体からには、色々な管が付き、

指には呼吸を図る機械などが付いている。

 

当時、人間としてなのか、

自分として、ショックを受けたのが、トイレ事情だった。

 

腕を動かす事、体を起こす事も出来ない状態。

そして、左足のふとももには大きな影響を受けていた。

咽頭再建の為に、筋肉を一部取っているから。

 

その時は、太ももの事は、頭に一つもなかった。

足を動かす事もないし、体はバラバラになっている感覚だったし。

体がバラバラになっていると言われても、伝わらないとは、感じています。

体感として、体が一つの塊になっておらず、

形としては手や足や頭が、胴体に繋がっているだけで、

自分の体として、実感できないような状態です。

 

最初は、気が付いていなかったのですが、

「おむつ」を履かされていました。

 

栄養は、点滴から。

 

口から、飲まずとも水分は取っている事になるので、おしっこは出ます。

術後最初の方は、便が出ていた記憶はありません。

 

おしっこをしたら、ナースコールをして替えてもらう事になります。

気管切開で喋れないタイプのカニューレだったので、

「トイレ」と書いて伝えていました。

 

何度も、入院している今いる大学病院。

2016年10月から、今回の入院まで、合計すると半年は入院しました。

 

顔見知りの看護婦さんだらけです。

 

その顔見知りの看護師さん方に、下のお世話になります。

単純に、おむつを交換するのだけならまだしも、

色々と拭いてもらって、二人係でお世話になります。

 

恥ずかしかったし、情けなかった・・・

 

体も限界な状況で、下のお世話にもなってしまっている。

 

アラフォーの男が、下の世話をしてもらう。

初めての経験。味わう予定のない経験。

 

本当に、情けなく思いました。

 

今となってみれば、術後に、

重体の体だから、お世話になると、理解できます。

事前に、おむつを持ってくるようにも言われていましたし。

 

でも、その時は、そう考える事は出来ませんでした。

人としての尊厳が、崩れ落ちていった気がしました。

 

その時も、今も、看護師の方々には、感謝の気持ちで一杯です。

お仕事とはいえ、申し訳ない気持ちでし、

排泄したままのおむつは、不快でしたので、素早く替えて頂いて、

助かりました。

 

便が出始めた時には、より申し訳ない気持ちになりました。

 

 

繰り返しになりますが、今はそんな風に感じる必要がない事は、

理解していますが、その時には理解よりも、感情が先にきていました。

 

トイレと書いて伝えて、嫌な顔をされたのは、

沢山いる看護師の方々の中で、一人だけ。

しかも、一回だけでした。

 

恐らく、嫌な顔をした看護師の方も、忙しかったとかの理由だと思います。。

 

喋れない状況なので、表情からの感情がより伝わってきました。

一応書いておきますと、

その方は、術後② 生涯忘れられないの看護師では、ありません。

 

嫌な顔をされて、

嫌な気持ちになったという事が言いたい訳ではなく、

それぐらい、顔に出さずに、

対応して頂いていていたという感謝の気持ちです