2017年1月第3週。
化学放射線療法が終了しても痛みは強くなっていく。
口内が痛すぎて舌を動かすと激痛が走る。
よって舌を動かさないし、
体もピクリとも動かさないようにして
過ごす。
只々痛まないように我慢の時間。
月曜日の早朝。
誰かが走って部屋に入って来る。
病棟担当医だった。
「痛みの数値が、上がっている。
今日から、更に麻薬を強くします。」
そして予想していなかった事を言われた。
「転院先が決まりました。
○○病院です。」
頭が真っ白になった。
体が動かせない状態で、転院
食べられなければ、転院するとは、事前に聞いていたが、
転院するなら、今いる地域の病院ではなく、地元の病院にしようと考えていたから事前に何も聞かされていない決定にびっくりだ。
喋る事も痛いが、
「転院先は、〇△地域を考えています。
転院先については、
事前に相談はないのですか?」
と言った。
病棟担当医は、不機嫌になり、
質問に答えることなく、
その場で、電話をし、誰かに転院中止を伝えていた。
「後日、別の人間が候補を出しに来ますので、決めてください」
とぶっきらぼうに言い、
不機嫌Maxで退出していった。
体が辛い状況と分かった上で、
自分の決めた事通りにいかないと怒り、説明もせずに退出する。
自分の患者に対して、思いやりもない、最悪な対応だ
転院の不安と、
体の痛み、
先生に対する怒りと、
精神状態を悪く、
容態を悪くする先生は患者にとって先生でも何でもない。
痛みで動かせない体でも、
心はぐらぐらと揺れていた。