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おじさんは正に品定めするかのように兄と僕を見ながら

おじさん『君らは兄弟か?今、何年生や?』

兄『4月から中学1年と小学5年になります。』

おじさん『……2人で一緒にやるんか?何でお金が欲しいねん?』

兄『自転車を買う為です。』

おじさん『自転車かー。親に買ってもらわれへんのか?』

兄『は、はい…』

おじさん『ほんで2人で新聞配達して買おうと思った訳やな。せやけどな、アルバイトや言うてもお金を稼ぐんは大変やぞ。雨の日も雪の日もあるし、風邪ひいた位では休まれへん。毎日、決まった時間に新聞が届くのを待ってる人もいてる。分かるか?ましてや、学校が終わって友達は遊びに行くのにお前らは新聞配達せなあかんねんぞ。それを覚悟して続けれるんか?』

おじさんが2人の表情を見ながら問いかけてくる。僕はある程度、覚悟はしてたがリアルに自分が新聞配達をしてる姿を想像して不安になった。そんな時、おじさんが畳み掛ける様に

『ええか、学校っていうのはお前らがサボろうが遅刻しようが困るのはお前らや。でもな、仕事はちゃうで。そんな甘えは通用せーへんで。それでもやれるか?』

僕と兄はまた黙り込んでしまった。

子供なりに事の重大さを理解しようとしていたと思う。

兄と無言のまま目を見つめ合い、『どうする?』と心の中で聞きあった。

しかし、もう引くに引けないと僕は思ったし兄もそう思ったのだろう。

兄『やらせて下さい!』

うわ~言いよった。引くに引けないと思っていながらも僕は心の中でつぶやいた。

おじさん『よっしゃ、分かった。ほんなら明日の14時に来い。お前らに50軒だけ配らしたる。時間に遅れるなよ。』

2人『有難うございます。宜しくお願いします。』

そう告げると販売店を後にした。


つづく