アラゴン連合王国 旅行記 2025年
15 土曜の午後は川風に吹かれて - リェイダ(2)
リェイダは観光地としてはあまり有名ではないが、歴史的な見どころも旧市街を中心に点在している。たいていの場所は17時から営業を再開するのだが、土曜日の今日はやっていても明日、日曜日は休みのところや午前中だけ開館というところも多い。なので、綿密に訪問計画を立てたつもりである。日が長い季節なのがありがたい。
ところが、プラ市場は前述のとおり、外観を見るだけで終わってしまった。そこで、坂道の途中にあるサント・ロレンツ教会へ行って見る。しかし、開館時間が過ぎているのに門は固く閉ざされたままである。
仕方なく、人気のない坂道をさらに下って、市庁舎のパエリア宮へ行く。ここには地下の遺構を見学できる筈である。だが、ここもまた入口が閉まっている。
それならばと、新大聖堂の向かいにあるサンタ・マリア病院へと引き返す。ここは17時30分再開なのだが、やはりやっていない。
目星をつけていた場所が何ひとつ見られないので、急に疲労感を覚えた。お腹も空いたので、夕飯にしよう。新大聖堂前の広場に出ているパラソルで、生ハムとチーズのバゲットサンドを食べる。この店はイル・モリネットと言い、リェイダではあちこちで支店を見かける。この街のローカルなチェーン店らしい。
一応、お腹がふくれたので、すぐそばの新大聖堂に入ってみる。広い堂内は薄暗く、参詣者の姿もあまりない。
各礼拝堂に祀られているのが、大工の一家として描かれたイエス親子だったり、ブランクーシの彫刻みたいなマリアや天使だったりと一風変わった教会である。ステンドグラスだってきれいだ。
主祭壇には長方形の天蓋があって、その下に十字架にかけられたキリスト像が吊り下げられている。
古拙な容貌の聖母子像は、いずれもが黒い肌色で表現されていた。
大聖堂の玄関を出ると、向かいに建つサンタ・マリア病院が開いている。石の壁に小さな窓が開いた閉鎖的な建物で、治療というより隔離のための施設のようでもある。自由に入れるのは、イタリア風の回廊がめぐらされた中庭だけであった。
病院が開いているなら、もしかしたらと思ってパエリア宮に引き返してみる。はたして、ここも玄関が開いていた。
地上階の回廊天井に描かれた紋章がなかなか興味深い。
地下に降りると尖頭アーチが並んでいる。古い部分はローマ時代の遺構だと言う。
プラ市場はもはや遺跡となってしまっていたが、セグレ川の対岸には現代の市場も残っている。そのカッポント市場まで、土手を川風に吹かれながら散歩してゆく。
しかし、この市場はごく小さかった。こだわりの食品などを扱っているのか、どれもいいお値段である。人の流れは、どちらかというと地下のスーパーマーケットの方に向かっているようだ。そして、スーパーマーケットにも特に買いたいようなものは売っていなかった。
再び旧市街に戻って来た。土曜日と言う事もあってか、ものすごい人出である。サン・ジョアン広場に植えられたねむの木の下のカフェも満席だ。
広場の名のもとになっているサン・ジョアン教会にも入ってみる。意外と立派な教会で、こちらのステンドグラスも新しいものではあるが、なかなか美しい。












































































































































































