オランダ小紀行 2017年

1 オランダ鉄道

 

 

 家人が用事でオランダに行くというので、つきあうことにした。宿泊地はアムステルダムにほど近いホールン(Hoorn)だけ。家人はこれまでオランダにはあまり興味がなかったらしい。ところが行ってみたら楽しくてすっかりはまってしまったようだ。

 

 

 アムステルダムに行くなら飛行機は当然?KLMオランダ航空である。安全ビデオがデルフト焼きのアニメでかわいい。ランチのパックもなかなかのデザインである。なのに、何故にオランダの切手は実用本位なのだろうか。

 

 

 アムステルダムが近づき降下していくと、整然とした耕地が広がっている。農家の間隔もピシッとそろっていて、うねうねしたイギリスの農村景観とは対照的だ。

 

 

 

 90年代半ばのスキポール空港

 

 スキポール空港で乗り換えたことは何度もあるが、ここから入国するのは初めてである。

ターミナルビルの内部はセキュリティ対応のためか、動線がずいぶんと替わっている。昔の方がのんびりした雰囲気が全体に漂っていたように思うのは気のせいか。チューリップの球根なぞを売る店もあるのがオランダらしい。EU内なら検疫不要なのだろうか。

 

 空港駅からホールンまでは30分おきに直通の電車がある。中央駅には入らず、アムステルダムの西の郊外を通っていくので、目に入るのは現代的なマンションだったり工業地帯だったりする。

 車内の案内はディスプレイ、放送ともオランダ語のみであるが、大変にわかりやすい。簡潔に表現すれば自国語のみでも十分なのだ。日本の駅の表示類にローマ字はともかく、簡体字やハングルが必要なのか、駅名はどうせ日本語なのに4か国語で放送する必要があるのか常々疑問に思っている。

 ツァンダーム(Zaandam)を出ると、ようやく田園風景が広がった。周囲を運河で囲まれた、湿地帯だか牧草地だかわからないような草地に、羊、馬、牛がいる。水面と地面の高さがほとんど同じなのだ。それどころか、明らかに水面の方が高い、天井川ならぬ天井運河さえ見られる。最高時速は140km/uurと俊足である。

 踏切は2か所、ハウスボートが浮かぶ運河、遠くに風車。そして、塔のある街が霞んで見えてきた。そこがホールンであった。

 

 

 

  ホールン駅からはホールン・メデンブリク・スチームトラムという保存鉄道が出ている。観光鉄道にはあまり興味がないのだが、可愛らしい機関車には魅かれるものがある。

 

 

 一方、駅舎には花屋が入っていて、ホームにも花鉢が並べられている。バラやカーネーション、芍薬、ブルースターなどである。駅舎には自動改札が作られていて自由に往来できるわけではないから、この店は列車の乗客しか利用できないわけだ。

 

 

 色々な面で先進的なオランダの鉄道ではあるが、駅舎はレンガ造りの建物を大切に利用しているし、ホームを結ぶ通路は踏切で、階段の昇り降りもなければ、エレベーターやエスカレータを設けて電力を使う必要もない。

 

<2 ホールン(1) へ続く>

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