ユーゴスラビア東半分+アルバニアの巻 1996年

13 ベオグラード

 ビィェリィナからベオグラードには直通バスで戻ることにした。往路とは別の国境を越えて、石畳の街道を抜けてゆく。朝霧が出ていて幻想的な風景だ。

 

 

 

 

 途中のドライブインでトイレ休憩。なぜか蒸気動車が置いてある。

 高速道路に入り、ベオグラード到着。

 

 

 

 

 

 バスターミナルに隣接する鉄道駅をもう一度眺める。何度来てもこの駅は長閑な感じがする。この駅とは別に、ベオグラード・センターという通過式の駅も市街の南部に作られている。そちらは発着する列車もほとんどなく、何のために作ったのかわからないような駅だ。

 

 

 

 

 

 

 トラムに乗ってみる。さして見たい所もないので、やってきた電車に適当に乗りこむ。3系統の電車であった。1回券は5ディナール(115円)と割高だ。車内のキャンセラーは切符を差し込むとチンと音がして日付が印字される。数字のマス目に穴を開ける方式よりは近代的だ。終点まで行くと、ループ線がニュータウンの広々とした公園の中にあった。陽射しが気持ちいい。

 

 

 中心街に戻ってぶらぶらする。現代アートの美術館がある。そういえばビィェリィナでも現代アートの展覧会があって、スタッフがベオグラードではビエンナーレが開催されると言っていた。

 コートの手頃なものがあったら買いたいと思ってショーウインドウを物色して歩く。しかし、この街のファッションセンスはあまりよろしくない。しかも値段が高い。経済制裁のせいで輸入物がない一方で、自国に一定の生産力はあるからこういう結果になるのだなと思う。道端でセーターをおばあさんが売っている。ざっくりした手編みのセーターだから80ドイツマルク(5600円)でも高くないと思い、購入する。

 

 

 その他に目立つのは路上の香水売りだ。10ミリリットルあたり5ディナールでトラムの1回券と同じ値段である。こちらは随分と安い気がする。

 こうして歩き回っているうちに、この街にも少し親しみがわいてきた。

 

 

 

 ショッピング街の外れに大きな公園があって、通りに沿った側にはミュージックショップの店が並んでいる。CDもあるが、大半はカセットテープである。

 公園の中に入る。親子連れが寛いでいる。平和な風景である。今は・・・

 

 

 

 

[ユーゴスラビア東半分+アルバニアの巻 終わり]

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