地図から始まる旅 ウクライナ 2018年

15 おまけのドーハ

 キエフからの帰途、ドーハに立ち寄る。湾岸諸国に足を踏み入れるのは初めてである。

 虹彩認証で入国する。この空港の利用者は乗り継ぎ客ばかりで、入国する人はごく少ないから、審査場はガランとしている。荷物を受け取るターンテーブルのところに出れば、バスの案内所がある。同じフロアに両替所もあるのだが、こちらは目立たない。案内所の職員に教えてもらう。

 

 

 空港バスの系統番号は「777」「747」といった数字になっている。777の方に乗る。乗客は自分一人である。バスの計器盤に、気温21度、湿度87パーセントと出ている。既に日は暮れているが、海辺だからか湿気が多い。

 バスは立派なハイウエイをゆっくりと走る。中央分離帯の照明柱が様々な色に光っている。切り紙細工のような文様をよく見ると、アラビア文字をデザインしている。コーランなのだろうか。

 対岸にビル群を望む、海辺の公園でバスを降りる。こちらの岸には真っ暗な水面にダウ船が1艘、繋がれている。

 

 

 

 

 公園を横切り、スーク・ワキーフという市場に入る。ドーハ随一の繁華街である。市場の建物自体は新しいものだから、アラビアン・テーマパークといった感じがしないでもないが、売っている商品を見れば、紛れもなくアラブの市場である。

 

 

 さすがに喉が渇いたので、路上のテーブルでスムージーを飲む。アボガド、マンゴー、ココナツの三層になっていて、ファイサルという人名が付けられている。値段はMサイズで12リヤル(360円)。

 

 

 通りの向かいは水タバコの店で、長いパイプで吸っている人たちがいる。水タバコは男のものと思っていたが、女性もいる。外国人なのかもしれないが。

 女性といえば、アラブ風の黒ずくめの服を着た人も多いけれども、写真をとっても何も問題はない。スマートフォンを皆、手にしているのだから当然かもしれない。

 

 

 

 

 ウクライナとカタールでは随分と違う世界のようにも思えるけれども、通りでおっさんが売り歩いているオパール色に光る風船は同じものだし、馬に子どもを乗せる商売も同じだ。もっとも、こちらの馬はアラブ種だから、かなり小柄ではある。

 

[地図から始まる旅 ウクライナ 終わり]

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