台湾四分の一周 一人二脚 2018年

6 九份・金瓜石と再び台北

 

猴硐のビジターセンターでバスを待つ間に、洗草蜜というペットボトル飲料を仕入れる。「課粒」とも書いてあるのは、ゼリー入りということのようだ。

時間通りにやって来たマイクロバスはぐいぐいと坂を上ってゆく。バスとはいえ運転はかなり荒っぽい。

 九份の手前には観光バス用の駐車場があって、そこから団体客が乗り込んで満員になる。一時、車内には韓国語や日本語が車内に飛び交うが、九份老街のバス停でほとんどの人が降りてしまう。ここからは下り坂になって、ますますカーブが多くなる。

 実際に来てみてわかったのだが、直線距離なら600メートルほどしかない九份と金瓜石の間には相当な高低差があるのだ。金瓜石からの帰りは歩くつもりでいたが、ちと無理そうである。

 金瓜石は鉱山街だったところ全体が博物園区になっている。観光地化されているとはいえ、程よく整備されている感じで好感が持てる。

 

 

おなかが空いているので、まず食堂に入り、鉱夫弁当なるものをがっつりと食べる。その後、谷間に向かって鎮座する巨大な関羽像の後ろを通って展望台まで行く。

 

 

 

眼下の海は、陰陽海という。イギリスの海岸のように原っぱが海に落ち込んでいるのは鉱害で樹木が枯れてしまったのだろうか。この斜面にはかつてケーブルカーがあって、鉱山関係者を運んでいたらしい。

 

 

来た道を戻ると、金瓜石神社600メートルの標識がある。大した距離ではないと思って足を踏み入れる。ところが、階段の段差が高いせいなのか、かなりの難行を強いられる。途中でへばっている日本人のおばさんがいる。
頂上には社殿など既になく、突き立った柱がスリランカの遺跡を思わせる。眼下に小さく関羽像が見えている。

 

 

 

            金瓜石神社から

 

   金瓜石から九份を望む。向こうの山に見えているのはお墓

 

 バスに乗り、九份老街で下車する。コンビニエンスストアが2軒あって、そばの路地に人々が吸い込まれてゆく。九份は今や台湾観光の目玉である。だからあまり書くこともないのだが、基山街や豎崎路の雑踏をはずれた裏町もなかなか味のあるところだし、かつて鉄道が通っていた軽便路の先にある頌徳公園からの夜景もいい。この町に一泊して良かったと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日は、瑞芳の駅裏手に新しくできた美食街(というほど店が並んでいるわけではないが)で豆花を食べて、平渓線で終点の菁桐まで行く。

 

 

 途中の十分も観光地として売り出し中ではあるが、こちらは俗っぽい感じがして降りる気がしない。もっとも、車内を見渡せば行楽客ばかりであって、観光でもっている路線となれば文句も言えまい。それにしても、十分の名物アトラクションの天燈が線路際に落下して燃えているのを2回ほど見た。山火事になどならないのだろうかと心配になる。

 終点の菁桐にも日式の住宅が残っていて、駅の周辺には観光客目当ての店も並んでいる。しかし、こちらは人がいなくてのんびりしている。

 

 

 

 菁桐からはバスで台北に戻る。街はずれでバスを降り、猫空ロープウエイに乗ってみる。ここでも歩いて山を下るつもりであったが、地形の険しさに恐れをなして、バスで下界に戻る。

 

     猫空ロープウエイから、指南宮と台北101

 

 もう夕方になったが、帰りの飛行機は深夜発だから、まだまだ時間がある。

 はじめに遼寧街夜市へ行ってみる。ここは元々小規模な上に、半分くらいの店が休業で何だか寂れている。そこで寧夏路夜市へ鞍替えする。こちらは対照的に人でごった返している。
 ふと、東京の夜を思う。今や東京にも外国人観光客が押し寄せているけれども、お金をかけずに夜を楽しめる場所があるのだろうか。

 

↑遼寧街夜市  ↓寧夏路夜市

 

                      愛玉子。この果実からゼリーができる

 

              台北車站

 

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