2024/1/25 怪魚を釣る④ | 福山機長の夜間飛行記録

福山機長の夜間飛行記録

月曜日から金曜日までの毎晩放送されるラジオ番組"JET STREAM"のうち、福山雅治機長のフライト部分を文字に書き起こして写真を貼り付けただけの自己満足ブログです。(※特定の個人・団体とは一切関係ございません。)

『JET STREAM』


作家が描く世界への旅。


今週は、怪魚ハンター・小塚拓矢によるエッセイ『怪魚を釣る』より、一部編集してお送りしています。


今夜はその第4夜。


大学時代から、巨大淡水魚を追いかけ、世界を巡る小塚拓矢。


その釣りのスタイルは、時代と共に変化を遂げている。


今夜は、そんな中でも変わらない、怪魚釣りを成功させる秘訣にまつわる話。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


近年では、インターネットが急速に発達し、SNSを使って手軽に情報を得られるようになった。


しかし、だからこそ僕は、僻地を旅する際に、インターネットから距離を置く事にした。


未知を求めるというスタンスの旅では、時にインターネットが、おせっかいな存在となる。


ネットに上がっている情報とは、結局のところ、誰かの後追いでしかない。


それならば、自分の足で情報を探した方が、面白いのだ。


一方で、社会人になってから始めた先進地域の旅では、インターネットを上手く活用し、時間とお金の配分なども徹底的に検討する。


Google Earthの航空写真で確認したポイントへ、レンタカーで乗りつけるというケースも多いが、良くも悪くもコストパフォーマンス重視の方法だ。


北米やヨーロッパ、オーストラリアなどの先進国では、そもそも釣りのライセンスを購入しなければならない。


また、釣具店には詳細なポイントマップがあり、一日に釣り上げていい匹数が、事細かに決められている。


先進地域を旅する際のスタンスは、未知を求めるという辺境でのそれと、大きく異なる。


コスパさえ良ければ迷わず現地ガイドを雇い、何不自由ない旅行を楽しむ事もある。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


人との関わりは、怪魚釣りの成功を大きく左右する。


「こいつに釣らせてやりたい!」


と思ってもらえなければ、目当ての魚を釣るのは難しい。


そこで、海外に行く時は、カバンに小さなおもちゃを詰めていき、村の子供たちと積極的に遊ぶようにしている。


子供と仲良くなれば、その子たちの親とも親しくなれる。


そして、彼らと同じ釜の飯を食う。


幸い、これまでの旅で、取り返しのつかないような事態に陥ったりした事は、一度も無い。


ただし、流れに身を委ねているうちに上手くいく事もあれば、付き合う人を何度変えても、ここだ!という場所に辿り着けない事もある。


人との付き合いやすさは、国によってかなり異なる。


例えば、アマゾンの奥地は危険だと言う人もいるが、個人的にはみんなが豊かに生きていて、優しい人が多いという印象が強い。


[アマゾン]


また、島国であり、小さな民族単位の村社会で成り立っているパプアニューギニアには、人を気遣う気質があった。


そのため、皆まで言わずとも、こちらが求めている事を汲み取って動いてくれる人が多く、とても居心地がいい。


一方で、僕が訪れたアフリカは、そんなに生優しくなかった。


外国人と見るや、お金に対してあけすけで、おまけに強く自己主張をしてくるので、言い争わなければならない事が多い。


毎日喧嘩ばかりだった。


もっとも、本音をぶつけ合う日々のおかげでと言うべきか、東アフリカのイギリス植民地文化圏に、およそ2ヶ月滞在した間に、それまでほとんど話せなかった英語が、随分と上達した。


【画像出典】