ロンドンを観光するなら、ベストシーズンは5月から9月にかけて。
特に5月は、晴れていれば爽やかな風が吹き、最も気持ちの良い季節だ。
ロンドン郊外にあるリッチモンドパークでは、ツツジが見頃。
[ツツジ]
色とりどりのツツジが咲くのを眺めた後、運が良ければ、野生の鹿の群れに出会えるかもしれない。
このリッチモンドの界隈は、小舎な住宅が並ぶ高級住宅街。
ちょっとお腹が空いたら、住宅街の一角にあるティールームに入ろう。
さて、明るいテラス席に座ったら、迷わず注文したいのが、サンドウィッチ付きのティーセット。
イギリス人にとって、軽食と言えばやはりサンドウィッチ。
特に、アフタヌーン・ティーには、キューカンバーサンドが定番だ。
"キューカンバー"とは、キュウリの事。
[キューカンバーサンド]
キュウリだけのサンドウィッチと言うと、物足りなく感じるかもしれないが、イギリスの上流階級では不動の人気を誇る食べ物。
有名なホテルのアフタヌーン・ティーでも、これを少しだけアレンジしたサンドウィッチがよく出てくる。
日本ではキュウリと言えば、漬物には欠かせない庶民的な野菜だが、19世紀のビクトリア時代には最高級の食材。
キューカンバーサンドを自分のサロンで出す事は、上流階級にとって富の象徴だった。
しかも、キュウリを出来るだけ薄くスライスすればする程、上品だったという。
生のキュウリを、バターを塗ったパンに挟んだだけの、このシンプルなサンドウィッチ。
自分で作ってみると分かるが、意外に奥が深い事に気付く。
【画像出典】