「レストレード君、僕に言わせれば、これは少々はっきりしすぎている」
これは、コナン・ドイルが書いた、『シャーロック・ホームズ』の一節である。
ここに登場する「レストレード君」とは、スコットランド・ヤードの警部の名前。
原作ではロンドン警視庁の事を、「スコットランドヤード」と表現している。
なぜロンドンなのに、"スコットランド"なのか、と疑問を持つ方も多い事だろう。
実は初めて誕生したロンドン警視庁の本部庁舎の裏口が、グレート・スコットランドヤード通りに面していた事から、こう呼ばれるようになったという。
現在のロンドン警視庁は、3代目。
[ロンドン警視庁]
今ではグレート・スコットランドヤード通りに面していないが、公式には"ニュー・スコットランドヤード"と呼ばれている。
初代の本部庁舎は、煉瓦造りのエドワード朝時代の建物。
[初代本部庁舎]
「大英帝国に、日が沈む事はない」と言われた時代の建物だけあって、威厳に満ち溢れている。
今でも、"グレート・スコットランドヤード"と呼ばれるこの初代本部庁舎。
昨年、5,000万ポンド(およそ97億円)をかけて、7階建の超豪華5つ星ホテルに生まれ変わった。
ホテルの名も同じ、グレート・スコットランドヤード・ホテル。
トラファルガー広場まで、320メートル。
ビッグ・ベンまで800メートルと、観光にはとても便利。
外観はクラシックながら、内装は至ってスタイリッシュ。
[内装]
Wi-Fiといった最新機器も、設備されている。
気になる値段は、1泊1万ポンド(およそ134万円)と、かなり高め。
ホームズなら、こう言うだろう。
「レストレード君、僕に言わせれば、これは少々高すぎる」
【画像出典】