2021/2/19 バレッタ | 福山機長の夜間飛行記録

福山機長の夜間飛行記録

月曜日から金曜日までの毎晩放送されるラジオ番組"JET STREAM"のうち、福山雅治機長のフライト部分を文字に書き起こして写真を貼り付けただけの自己満足ブログです。(※特定の個人・団体とは一切関係ございません。)

地中海の真ん中に浮かぶ、マルタ共和国。

マルタ共和国は、マルタ、ゴゾ、コミノの3つの島と、2つの無人島から成る小さな島国。

全ての島の面積を合わせても、日本の淡路島の半分程の大きさだ。

しかしながら"文明の十字路"とも言われる程、古代からの歴史を刻む国。

マルタ島にある首都バレッタは"ルネサンスの理想都市"と呼ばれ、街全体が世界遺産になっている。

ここバレッタが建設されたのは、16世紀。

オスマン帝国の攻撃を防ぐために、聖ヨハネ騎士団によって築かれた要塞都市である。

街の中心に立つ聖ヨハネ大聖堂に入ると、色とりどりの大理石が床一面に敷き詰められている。

[聖ヨハネ大聖堂]

その400を超える大理石は、このマルタ島を勇敢に戦い守った騎士達の墓だ。

[聖ヨハネ大聖堂の床]

バレッタの街を高台から眺めると、地中海の柔らかな日差しを浴びて、蜂蜜色に輝いている。

[バレッタの街並み]

家々が全てマルタストーンと呼ばれる、蜂蜜色の石灰岩で造られているからだ。

マルタ島の家には、必ずガラリヤという名の突き出たバルコニーがある。

[ガラリヤ]

赤や青、黄色と鮮やかな色に塗られたこのガラリヤ。

夏はとても日差しが強く湿気が多いマルタ島で、家の中に涼しい潮風を効率よく取り込む、暮らしの知恵だという。

ここバレッタの石畳の路地を歩いていると、馬に乗った騎士達が今にも駆け抜けていくようだ。

路地裏にあるオープンカフェの椅子の上で、春の陽を浴びて、猫がのんびりと昼寝を決め込んでいる。

21世紀の今、蜂蜜色の整然とした町並みに、平和で穏やかな時が流れている。

【画像出典】