ポポロとは英語の"people"、つまり"みんなの広場"。
今では街の真ん中にあるこのポポロ広場ですが、かつてはローマの北の玄関口。
広場の北にそびえるポポロ門から、巡礼者達はローマに入りました。
この門の前には、バチカンの衛兵達が立っていました。
衛兵達はローマを守っていたわけではなく、信仰深い巡礼者達からしっかり通行税を取っていたのです。
"ローマは一日にして成らず"と言いますが、本当は"ローマは一日でもタダでは入れなかった"というわけです。
ポポロ広場から南の方を見ると、左右対称の2つの教会が立っています。
左がサンタ・マリア・ディ・ミラコリ教会、右かサンタ・マリア・ディ・モンテサント教会。
2つ合わせて、ローマでは"双子教会"と呼ばれています。
この双子教会、ポポロ広場から見るとどちらも同じ大きさに見えます。
しかしながら本当は、左の教会の方が敷地や建物もかなり大きい。
なぜ2つの教会は同じ大きさに見えるのかといえば、それにはちょっとしたからくりがあるからです。
そのからくりとは、屋根の形。
よく見ると左の教会の屋根は円形に作られていますが、右の教会の屋根は楕円形に作られています。
まるで左右対称に見えるのは、この視覚のトリックです。
このトリックを考え出したのは、バロック時代の天才建築家カルロ・ライナルディ。
古くからローマは、門をくぐれば人を惑わす小悪的な町なのでしょう。
【画像出典】