気温は東京と同じくらいだが、ただし一日のうちに全ての天候がある、と言われる程天気が変わりやすいのが困り物。
もし街で冷たい雨に出くわすと、近くのパブに転がり込む事になる。
スコットランドのパブに入って、スコッチのつまみといえばハギス。
熱々のハギスに、たっぷりシングルモルトを振りかけて食べる。
このハギス、見た目は黒いソーセージのような羊のモツ料理だ。
とても脂っこい、個性の強い濃厚な味。
これにシングルモルトをかけると、味に深みが増して不思議な程よく合う。
ところでこのハギス、スコットランドのパブで「この料理は何から作るのか?」と尋ねると、必ず「ハギスという動物から作る」と答える決まりになっている。
ハギスは、右の前脚と後ろ脚が短い可愛い4本脚の動物。
時計回りに駆け回るのは得意だが、時計の逆回りに追いかければ簡単に捕まえられる、という奇妙な講釈を聞かされる。
もちろんこれはジョークだが、スコットランドにやって来る3分の1のアメリカ人が、実在すると信じてしまうという。
中には、野生のハギス狩りのチケットを買ったアメリカ人までいる。
来週の月曜(1月25日)は、スコットランドの国民的な詩人ロバート・バーンズの誕生日。
彼がハギスを愛した事から、この夜は"ハギス・ナイト"と呼ばれ、スコットランドでは誰もがパブでハギスを食べる。
さて来週のハギス・ナイトには、一体何人のアメリカ人が騙されるのだろう?
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