ワインの涙とは、ワインをグラスに注ぎ込んだ後グラスを静かに揺すった時、グラスの内側に幾筋にも渡って雫が落ち続ける現象。
専門家の間では、ワインの脚、カーテンとも呼ばれている。
これは古くから知られていた現象。
聖書の中にこんな格言がある。
「酒は赤く盃の中に泡立ち、滑らかに下ってゆく。
汝これを見るなかれ」
これはワインの涙の事。
ワインの涙はアルコール度が高ければ高い程たくさん出るので、こうしたワインを飲みすぎてはいけないと諭しているのだろう。
たしかに、ワインに含まれるアルコールの成分が多い程、それだけ多くワインの涙が出る。
ワインよりもアルコール度の高いブランデーの方が、ワインの涙がたくさん出るのはこのためだ。
今から136年前、このワインの涙はイギリスの物理学者ジェームズ・トムソンによってそのメカニズムが解明された。
現在は、マランゴニ効果と呼ばれている。
よく、ワインの涙が出れば出る程そのワインは美味しいと言われるが、これは間違い。
ワインの涙は、ワインに含まれているアルコール度の高さがわかるだけで、甘さや味わいの深さ、品質の良さとは無関係。
決して、美味しいワインの目安とは言えない。
アルコール度数の高いワインにできるこのワインの涙。
聖書にも書かれているように、くれぐれも飲みすぎにはご注意を。
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