高校生の希望には「憧憬」的なものが多い。
たとえば芸能人や芸術家や漫画家や普段、自
分がマスコミなどを通して身近に感じている
ものが自分の目標となっている場合が多い。
しかし、それへの具体的なステップが構築さ
れていないので「憧れ」以上の段階に進めな
いことも事実。
この「憧憬」という抽象的なものから、質問
を通じて、それへの具体的なアプローチがな
されているかを確認すべきだ。
そうすると、自分が具体的なステップを踏め
ているか、いないかが自ずと理解される筈だ。
相談が始まって、直後に「憧憬」を否定する
ことなく、それへの取り組みの状況を丁寧に
聴いて言ってから、具体的なアプローチの有
無を聞いていくことで、多分、生徒は何に不
足があるかに気付くと思われる。
過去に、シェフに憧れている生徒に、実際の
取組み状況を聞いた時に、家族や周りの人に
料理をふるまっているか、それを食べた人の
評価はどうなのかを確認したことがあった。
結論からいうと、全く、このようなことは行
われておらず、単なる憧れであることが分か
った。
その後、料理の基本とは何かとかレシピの意
味などを話したような記憶がある。
職業に関する知識がなく憧れるのは、高校生
等に多い現象だ。
このことを、即座に否定するのではなく、そ
の職業選択に必要な知識をいっしょに勉強し
ながら教えていくような忍耐力が必要だと考
える。