新入社員の諸君に言いたいことの一つは「ま
ず、職場のしきたりに従え」ということだ。
自分が入社するはるか前に入社した人たちが
作り上げてきたものに従えということだ。
この段階で職場が合わないとか、自分が入社
前に持っていたイメージと違うなどの理由で
転職を考えるのは早計だ。
芸事でも最初は先達の模倣から始まるのは良
く知られたことだ。
そして、入社して１、２年後に自分の希望と
会社の実体とのずれに気付くことだろう。
当たり前の事だが世の中に理想の会社がそう
沢山ある訳ではない。
少し辛抱して仕事を続けながら会社の実体を
深く探ったらどうだろう。
また、自分の地を出して、自分の欲すること
を会社に要求してみるのも良い。
例えば、自分の企画の予算化を申請するとか。
僕は新入社員の時の３年目に、ある量販店の
地域担当をしていた。
従来より売り上げが低下していた、その量販
店に対して前年を上回る売り上げを上げるこ
とは課全体の課題とも言えた。
そこで個店での増販が不可欠となった訳だが
、その売り上げ向上策を自分として企画した。
それは個店での季節催事に合せたプロモーシ
ョンでの特売による増販であった。
その企画の実施に必要な予算を課長に申請し
た。
これは課全体の計画達成のために自分の立て
た企画を成功させるという目的で行ったもの
であった。
しかし、僕の真意は自分の企画の成否を試し
たいというところにあった。
むしろ、自分が面白いと思うことを実践して
みたかったのだった。
これが上記の「自分の欲することを会社に要
求してみるのも良い。例えば、自分の企画の
予算化を申請するとか。」ということなのだ。
つまり普段の頑張りをもって、会社に正当な
要求をした場合に、その要求を受け入れられ
る度量が会社にあるのかということなのだ。
これは、昔も今も変わらないのではなかろう
か。