ただ単に本人からのヒアリングによる希望職
種を早計に判断し市場にあるありふれた情報
の提供が仕事のすべて、と錯覚しているカウ
ンセラーも多い。
こうした「お手軽マッチンガー」に可能なこ
とは相談者の希望を一応聞いて、自分の感覚
で希望達成度を測り、応募すべき職種を決め
、既存の案件から適当に相談者に紹介する。
従って、紹介する行為は内定まで続く。
場合によっては、ごく単純な成果主義が支配
する組織に於いて、その紹介件数の多さが評
価の対象になる。
こうした循環は果たして「善循環」なのか。
僕は、そう思わない。
何故ならば、このような単純作業に欠けてい
るのは「傾聴」というカウンセリングの基本
的かつ最重要な行為だからだ。
カウンセリングの初期に充分な「傾聴」を欠
く相談によっては良い結果が得られないのは
自明の理だ。
テキト―な求人情報の相談者への紹介が非効
率で空振りが多いことが、多い紹介数に直結
する。
問題はカウンセリングの質であり、そのプロ
セスへの注視と管理なしには、正確な評価な
どできようもない。
まっとうな評価制度と評価体制はいつになれ
ば、ごく単純な成果主義が支配する組織に根
付くのであろうか。