現在のキャリア教育を考えるときに、若者個人の
みの問題だけではなく、社会を構成する各界が互
いに役割を認識し、一体となり対応することが必
要だといわれている。
その中で「学校教育は重要な役割を果たすもので
ありキャリア教育を充実していかなければならな
い。」という学校教育主導の方針が示されている。
しかし、現在の学校での取り組みが緻密で充分か
というと、全面肯定できる状況であろうか。
キャリア関連の講話を学校自体ではなく関連機関
や組織、民間企業に委ね、インターンシップのみ
がキャリア教育として行われているのが現状では
なかろうか。
学校全体におけるキャリア教育や自己分析に基づ
く進路判断、職業理解促進、キャリア開発などの
総合的展開が待望されているのが現状ではなかろ
うか。
アメリカでのキャリア教育の遂行に大きく関与す
るスクールカウンセラーは約500人に一人配置
され、その役割は生徒のキャリアプランの作成、
キャリアに向けた準備、キャリアの探索、トレー
ニングといった面での手助けとされている。
スクールカウンセラーは生徒の関心、適性、キャ
リアのゴール、ニーズといったものを踏まえて様
々な専門の技術教育や指導、カウンセリングを行
うものである模様だ。
日本に於ける教員の仕事の一部として行われてい
るキャリア教育が、かの国では分業体制で行われ
、かつスクールカウンセラーの広範囲な業務管理
能力や高い専門性が、それを可能にしているらし
い。
日本に於いても、同様の体制にするのか前述の学
校全体におけるキャリア教育の遂行(インターン
シップのみではない)を待つのかは真剣に議論さ
れる必要がある。