仕事の喪失と悲哀の仕事 | キャリア・カウンセラー札幌のブログ

キャリア・カウンセラー札幌のブログ

キャリア・カウンセラー札幌の活動内容やキャリア・カウンセラーとしての雑感を記載しています。

会社を辞めることがアイデンティティの危機

となる場合がある。

喪失がもたらす内的状況への不適応で、恨み

や悔やみ、悲しみや怒りといった様々な感情

が繰り返し襲ってくる。

この状態は喪失を受け止め、自分の中で折り

合いをつけるまで続く。

フロイトはこれを「悲哀の仕事(mourning

 work)」とよび、避けて通れない重要なプロ

セスとした。

そして、これまでの仕事を失うとき、仕事と

ともに失われるのは収入だけではない

仕事を通して成し遂げようとしていた夢、社

会的成功、生活の安定、人間関係が失われる。

さらに会社は自分を守ってくれるという信頼

感も打ち砕かれる。

会社への愛着や依存が大きければ大きいほど

「悲哀の仕事(mourning work)」は大変な

ものとなる。

前向きに行動することは重要だが、悲哀の仕

事をないがしろにするといつまでも喪失に伴

うネガティブな感情が消えない。

湧き上がる感情を抑圧せず、経験し尽くすこ

が必要なのだ。

苦しくても、いずれ自分の感情を客観視でき

る時がくる。