理想の管理職は自分に厳しく、部下には優し
く接することが出来る器量を持った人間では
ないかと思う。
特に部下の意見具申を歓迎し、そのアイデア
を会社の将来に活かそうという気持ちを変え
ない人、自分の上司の間違いには毅然として
抵抗して左遷も辞さない人のような人が待た
れている。
その点、今年前半の省庁の不祥事は上司の間
違いには毅然として立ち向かうサラリーマン
社会の美点が社会から消滅しつつあることを
伺わせたし、文書を改ざんしてまで表面を取
り繕うことが組織内で許され、このことが散
見され全般的に習慣化しているのではと疑う
に充分な有様であったことは記憶に新しい。
一方、ノーベル賞受賞の本庶先生の言葉の「
研究者になるにあたって大事なのは「知りた
い」と思うこと、「不思議だな」と思う心を
大切にすること、教科書に書いてあることを
信じないこと、常に疑いを持って「本当はど
うなっているのだろう」と。自分の目で、も
のを見る。そして納得する。そこまで諦めな
い。」にある真実を追求するときの心構えは
上記の省庁の上層部にこそ必要なのではと思
われる。
理想の上司を失った組織には荒廃と退廃のみ
が残される。
本当に立派な上司が、社会全体に今待たれて
いる。