「大学改革」という予算削減が日本の高等教
育の質を過去最低レベルに引き下げた。
「知」の低下は国の将来を危うくする。また
、現在の浪費が将来必要な金を先食いして若
者の夢を低くからしめていることに多くの国
民は目をつむっている。
また、橘木氏は、その著書「格差社会」の中
の「教育における公的部門の撤退」の項で教
育費の大幅カットや日本の教育費支出がGD
Pに占める比率が世界の先進国の中でも最低
の水準であることも指摘している。
最近では、日本の大学を中国の大学が抜き去
ったとの報道もある。
この問題の起点は国家としての将来の最大の
財産である人材への投資ともいえる教育に対
する予算削減にある。
個人や家庭レベルでの教育費負担が問題化し
ている一方、国で支える必要が高い基礎研究
などの地道な蓄積を含む教育費の削減での「
知」の縮小はバランスを欠く現象と言わざる
を得ない。
これは日本の若者の他国に比しての「愛国心
」の低さとも相関する「自己愛」が横溢する
社会への変貌が、日本で見られることの証左
であろう。
「モラル」「公共」「社会貢献」などへの関心
の高まりを期待する。