過去のブログより。
長年、キャリア・カウンセラーをやっていると
いい話にたまに出会うことがある。
再就職支援会社にいた時のことだが、ある企業
の副部長でリストラとなった人を担当した。IT
系の上場企業で営業や総務・人事を担当した経
歴の50代後半の男性だった。
担当後、暫くは在職時と同業の会社や人脈で同
業の会社にチャレンジしたがいずれも失敗した。
半年くらい経過した頃に久々に相談に訪れた時
に、スーツ姿が似合わなくなったと感じた。
その後、定期的に面談するようになったある日
、公的な求人情報で「公的な施設の管理」の仕
事に応募しすぐに内定した。
後日、休日に挨拶に来られた時に、その仕事の
充実感を語られ「給料は半分以下だが、元々希
望があった社会貢献的な仕事につくということ
が実現でき満足している」という言葉を残して
帰宅した。
これは内的キャリア・外的キャリアの関連で説
明がつくように今は感じる。
以前の仕事や立場は、その人の外的キャリアの
満足はあったであろうが、現在は内的キャリア
の満足が達成されて幸せな仕事人生が過ごせて
いる、と感じるからだ。
内的キャリアの充実は人生を豊かにするために
極めて有効な方法だと考える。
これに外的キャリアの充実が加わればベストで
あろう。
しかし外的キャリアの充実は本人の希望ではど
うにもならない場合も多い。
一方、内的キャリアは自己理解や自分との対話
による把握とその充実への努力は自己の意志に
より実行可能で、内心の満足が基本であるため
に幸せに繋がりやすい。
キャリア開発に於いても、この内心の満足は極
めて重要な要素である、と考える。