過去のブログから。
人生の節目や転機のことを「キャリアトランジション」と
いいます。
聞きなれない言葉だと思いますが、実は皆さんも、これま
でに経験しているのです。
たとえば、中学、高校、大学などの「受験」。カリキュラ
ムが厳しい学校と、個人の自由に任されている学校があっ
たなら、自分の性格はどうで、どちらに向いているのかと
考えたり、サッカーが得意でスポーツ推薦が取れそうだけ
れども、先々のことを考えて本当にその学校でいいのかと
考え、進学先を決めたりしたと思います。
また、就職活動をすることと進学するかに迷い悩んだり、
本格的に就職活動をして自分の希望の会社に就職すること
などを経験したと思います。
進路選択の際、こんなことを色々と経験したのではないで
しょうか。
ほかにも過去に「結婚」「転職」「引越し」「家族の病気」
など、さまざまな「キャリアトランジジョン」があった、
もしくはこれから起こりそうだということがお分かいただ
けると思います。
キャリアトランジションには、「予期できるもの」と「予
期できないもの」の2つがあります。
前者はある程度、いつ起きるかが分かっている「進学」「
就職」など、後者は「被災」「病気・怪我」「転勤」とい
った「まさか」のできごとです。
そして、この「キャリアトランジジョン」に適切に対
応することが人生においては重要なのです。
全米キャリア開発協会会長を務めたシュロスバーグは、
その対応法について二つのステップで説明します。
第1ステップは「資源の点検」、第2ステップは「具
体的戦略」です。
第1ステップの「資源の点検」は「状況」「自己」「
支援」「戦略」の4つの資源を十分に点検することを
言います。
第2ステップの「具体的戦略」は成功のために具体的
計画に基づき戦略をたて、そのために必要な資源を確
保、転換にともなって予測される変化を受け止め、あ
らかじめ事前準備をすることを言います。
その2つの十分な履行こそが「キャリアトランジジョ
ン」を乗り切る最大の手段だとシュロスバーグは説い
ています。
そして上記の「資源の点検」は「キャリアトランジシ
ョン」にかなり重要な点検項目の内容が具体的に提示
されているのでキャリアカウンセリングに関わってい
る人は知識を得ておくことが必要です。
個人的には「支援」の内容の把握は極めて重要と考え
ています。
上記のことは「キャリアトランジション」を理解するう
えで極めて重要と今でも考えています。
更に付け加えるならば、予期せぬ転機の時にシュロスバー
グの転機の対応法は重要ですが、その前にフロイトのいう
「悲哀の仕事(mourning work)」の完遂が必要です。
悲哀の仕事をないがしろにするといつまでも喪失に伴うネ
ガティブな感情が消えないことから湧き上がる感情を抑圧
せず、経験し尽くすことが必要なのです。
ですから予期せぬ転機では、余り先を急がずにじっくりと
時間をかけて「悲哀の仕事(mourning work)」を終え
てからシュロスバーグの転機の対応法に臨んでいくという
ように2段構えで活動を行った方が良いと思います。