数年前のブログで紹介した記事です。
10年くらい前でしょうか。私は1997~98年までア
メリカに留学していたのですが、その頃に感じたことで
す。アメリカではそれこそ幼稚園から高校まで、人生の
早い段階からキャリア教育が充実しています。
子供たちに、何のために勉強するのかを問うています。
将来、自分はどういう生き方をしたいのか、どんな働き
方をしたいのか──その目的がないと勉強に対する動機
付けができません。将来自分は社会でこういう仕事をし
て、世の中に貢献していきたいという目的があるからこ
そ、勉強しようという気持ちになるわけです。それが、
ただいい高校や大学に入るために塾へ行って勉強しなさ
いと言っているだけでは、本当のやる気は起こりません。
アメリカの子供たちがそうした将来の自分のキャリアや
夢を語っているのを見て、日本との違いに驚いたもので
す。
日本の初・中等教育では良い高校に進学するということ
が目的になっているように感ぜられる。
また、高校でも、良い大学に入ることが大半で次に専門
学校への進学のための知識の詰め込みが教育の目的にな
っている気がする。
過去に比して上記のような状況は改善されつつあるよう
に思われるが、アメリカの初等~高等までの段階でのキ
ャリア教育の充実とは、まだまだ格段に差があると思わ
れる。
将来自分は社会でこういう仕事をして、世の中に貢献し
ていきたいという、はっきりした目的意識や目標を持っ
て高校や大学生活を送っているとおぼしきアメリカ(従
って大学での学びは厳しく、遂行状況の管理も厳しい)
と大学での学問の成果を余り重視しない日本との差は、
依然として大きいと思われる。
大分前だが合コンパーティで犯罪を犯した、有名私大生
のような愚にも就かない学生の存在が無いとは、言い切
れないのが現状ではないだろうか。
これは、学生に真のキャリアの認識に基づく、目的意識
が未醸成であることに原因があると言わざるを得ない。
今後、この日米の格差を埋める公的、民間での努力が欠
かせないと考える。