中高年の就職支援で重要なことは、多くの支援対象者がその
豊富なキャリアを活かすことができる再就職先をすぐに見つ
けられない、ことです。
求職者の多くは、久々の就職活動で、その進め方や書類作成
や面接の知識を無くしてしまっています。
時には、企業の役職経験の居心地の良さから脱却できずに
活動をなかなか本格的に始められないというケースにも遭遇
します。
自身のスキルを自己分析からまとめ上げることができない為
職務経歴書が作れない、面接で上から目線がどうしても抜け
ないなどの重症の方々が散見されるのも、この年代の特徴で
す。
まず、転機にある自身をよく認識し、充分な戦略性を持って
活動に臨むむことが成功の秘訣と考えます。
そのためには、とりあえずフロイドの言う「悲哀の仕事(mo
urning work)」を終わらせることが重要です。
(何かを失った時に喪失がもたらす内的状況への不適応で、恨
みや悔やみ、悲しみや怒りといった様々な感情が繰り返し襲
ってくる。この状態は喪失を受け止め、自分の中で折り合いをつけるまで続く。このことが悲哀の仕事)
その後は、戦略を立て、行動計画を作り、武器を持つ(人脈
を活用する、書類作りや面接対策を十分にやる)、目標を達成するまでやり抜く必要があります。
これらのことを傍らで寄り添って援助する。これがキャリア・カウンセラーの中高年の就職支援で重要なことだと考えます。