目の前にいる若者の苦悩や困難な状況を理解せずに、
人生や職業を語れば、それは大人の便宜的な方法論
として受けとられてしまいます。
実現できずに終わった夢や希望との決別と引き換え
に、いまを得たのだと納得をして生きている大人は
多いのです。
苦しい気持や不安の中に、将来の夢や希望を語ろう
とする若者の話に耳を傾け、我がことのように実現
の道筋を真剣に考えてくれる大人を求めているのが
いまの若者たちの姿だと思います。
若者のキャリア形成を支援する環境やシステムの構
築が必要であることは言うまでもありませんが、そ
れらの成否の鍵を握るのは若者側ではなく大人の側
ではないでしょうか。
若者を応援し元気を与え、そして一緒に笑い、泣き、
行動してくれる大人が少なくなったと感じているの
は私だけではないのではないでしょうか。
難しい家庭で育ち、厳しい境遇でやってきた人々を
応援することが自分の責務と感じて援助する人は、い
つの時代にも社会に必要なのです。