傾聴することの援助機能とは以下のようなものです。
「クライエントの心を支える」
カウンセラーの傾聴的な態度に支えられ勇気づけら
れて、クライエントは自分が経験している不安、不満
、苦悩などを表現するようになる。
そして、心の中に鬱積していたものが表出され、感情
の風通しがよくなる。
そうしたかたちで、心理的に支えられる。心にゆとり
が生じ、心理的な視野が広まる。
更に傾聴することの援助機能とは以下のようなもの
と言われています。
「クライエントの心の新しい動き、成長可能性の
展開を促す」
カウンセリング的なかかわりの中で、心のゆとり
が出てくるだけでなく、心のガード(防衛)も緩
んでくる。
防衛の緩和とともに、それまで意識に上らなかっ
た感情や欲求などが徐々に意識に上るようになっ
てくる。
そうした感情や欲求が意識化され、自我に統合され
ることにより、自我の新しいあり方、行動可能性が
生じてくる。
また、カウンセラーとの人間関係の中で、クライエ
ントがそれまで得ることができなかった他者への信
頼感や安心感を体験し、それが成長、変化をもたら
す。
以上のような傾聴の援助機能によりカウンセリングの
成功がもたらされます。
カウンセラーへの信頼感醸成に感情への応答が不可欠
であることはいうまでもなく、自分の成長の可能性に
「自ら気づく」ことも重要なことが示されています。