先日、三浦展氏の「下流社会」を久々に読み返してみま
した。
また、その当時に発刊された橘木俊詔氏の「格差社会」
も同時に読んでみました。
双方で共通して言われていることの一つが「社会の階層
化」だと考えます。
それは、バブル崩壊以前高度消費社会が始まった198
0年代にすでに始まっていたとも、1980年代以降、
日本の所得分配が不平等化している、との指摘でも言わ
れています。
橘木氏は、日本の貧困を世帯類型別にみると、貧困率が
高い世帯はというのは、母子家庭、高齢単身者、若年層
であると指摘しています。
そして若年層が貧困となる要因に不況、高い失業率、雇
用保険がないか額が少額の若者の存在、非正規労働者の
年収の低さ等をあげています。
また、「教育における公的部門の撤退」の項で教育費の
大幅カットや日本の教育費支出がGDPに占める比率が
世界の先進国の中でも最低の水準であることも指摘して
います。
これらのことから、社会の階層化に伴いひき起こる、若
年者の「階層化」は問題になり、いまや大きな社会問題
となっていることが理解できます。