夏の記憶 | ccrocoeさんのブログ

ccrocoeさんのブログ

こころ

おもい 徒然 

向いたとき


✻ 過去詩集を差し上げます。興味ある方はご一報ください。


夏はあからさまに生命の季節だ。
逆説的にそう感じる。
二度訪れる原爆忌や終戦記念日、そして盂蘭盆、彼岸。
これらの日々を過ごすなか私に強く意識され続けるのは、むしろ生の反対側にある死、さらにはそれらを超えた世界だからだ。

昔から、夏はその燃えるようなエネルギーの陰に、息を潜めるような薄墨の世界を懐いている気がしてならない。
どこまでも静かで、どこまでも目立たぬように在るはずのそれが、私には光の溢れる世界よりも一層強い存在感を放って見える。

その強烈な存在感とは裏腹に、うすらぼんやりとしている像をしっかりと確かめたくて、私はしばしばその暗がりに目を凝らす。
そしていつも失敗する。
ふわりと漂っているようで、捕まえようとすると胸苦しいほどに威圧され、私は動けなくなる。
そして不思議なのは、諦めと同時に安堵している自分がいることだ。
せつないほどの優しさを感じて涙ぐむ。
何故だか分からないが、生きているんだなあ、と思う。

夏の盛り、力強い陽射しに照らされて、くっきりした影も濃い。
昔から、8月は生きていることを感じる季節だ。
自分に肉体があることを、しみじみ感じる季節である。



.。:*゚ .。:*゚