前回から引き続き

 

久々に突っ込みどころ満載のドラマ

「今、別れの途中です」( 2021-22 SBS )

 

アパレル企業デザインチーム長 ハ・ヨンウン(ソン・ヘギョ)と、年下のファッション専門フォトグラファー "Mr.J" ユン・ジェグク(チャン・ギヨン)の純愛もの。

 

ソン・ヘギョの役どころ、ファッション業界でブイブイ言わせるデザイナーなので、のっけからセレブ感満載。

 

腕時計がさりげなく、

フランス系宝飾ブランド「ショーメ( Chaumet )」の

「ジョセフィーヌ・エグレット( Joséphine Aigrette )」

税込約 1,331,000円

 

写りが悪いですが、多くの場面でゴールドのブレスレットとセット。

 

「ショーメ ビー・マイ・ラブ( Bee My Love )」

税込約 851,400円也

 

大写しになる「ショーメ クラス・ワン( Class One )」と「ビー・マイ・ラブ」

合計で税込約 1,529,400円いただきます。

 

撮影現場用のラフなファッションと思ったら大甘。

 

「ショーメ ボレロ( Boléro )」税込約 2,167,000円 

ブレスレットと合計で税込約 3,018,400円也

 

別の場面、同じモデルのホワイトもお持ちです。

 

さりげなく斜め掛けするバッグが

 

イタリア系ファッションブランド「フェンディ( Fendi )」の

「モン トレゾール ミニ・ラフィア・バケット・バッグ( Mon Trésor Mini Raffia Bucket Bag )」

税込約 266,200円いただきます。

 

颯爽と乗り込む愛車が「ヒョンデ( Hyundai )」の最新型 EV

「アイオニック 5( Ioniq 5 )」

環境意識の高さだって忘れていません。

 

日本仕様はグレードにより税込約 4,790,000 ~ 6,290,000円

デジタルサイドミラー搭載なのでハイスペックモデルの筈。

 

上司で友人の会長令嬢 ファン・チスク理事(チェ・ヒソ)に

「それより、いい加減その古びたバッグを新調したら」と揶揄され

 

思わず見つめる

「フェンディ ピーカブー( Peekaboo )」

モデルとサイズにより税込約 605,000 ~ 1,010,350円也

 

平然と雨除けにしてしまいます。

突然のにわか雨に

「バックを平気で雨除けにするのはコピー品だから。本物ならそんな事は出来ない」

というセリフは

 

「青い海の伝説」( 2016-17 SBS )

だったかな。

 

更に最新デザイン作を急遽運ぶ際、さりげなく持つバッグがとんでもない代物。

 

フランス系高級ブランド「エルメス( Hermès )」の

「 "クーベチュール・エ・テニュ・ドゥ・ジュール" ルトゥルヌ・ケリー

( "Couvertures et Tenues de Jour" Retourne Kelly )」

 

いわゆる「ケリーバッグ」の2011年限定品

オークション参考価格が約 $17,000 ~ 20,000

邦円換算約 2,550,000 ~ 3,000,000円

 

だけどこの最新作、何というか… 微妙にぶしょったくない?

しかもこれが色々やらかす意味の問題作で、突っ込みどころ満載。

 

ハ・ヨンウン チーム長は有能で仕事への情熱があふれるけれど、情報共有/管理が杜撰な上、突然キレて暴走するなど個人プレイに走りがち。

 

そうした点が影響してか、スタッフ教育がかなりぞろっぺい。

なのでスタッフが無能揃いに見えてしまいます。

 

従ってデザイナーとして優秀でも、企業管理職としての能力に少々疑問。

この微妙な立ち位置がストーリーにかなりの影響を与えています。

 

さてと、おうちだってセレブ感満載。

漢江を見下ろす瀟洒なアパートに、

 

化粧ブース完備の衣裳部屋はマストアイテム。

 

こうしたしつらえは、ソン・ヘギョが長く広告モデルを務める化粧品ブランド

「ソルファス(雪花秀 Sulwhasoo )」と深い関わりがあります。

 

また、上記「ショーメ」「フェンディ」連発も、ソン・ヘギョがアジア・アンバサダーを務める縁。

 

 

けれども何故「エルメス」が突然登場したのかは謎のまま。

 

しかし、設定をぶち壊しかねない問題発言。

「ああ、来月も収支がマイナスだわ」

 

「もう請求書だらけ。収入は少ないのに支出が増えるばかり」

 

いや、それはあなたの浪費癖のせいでは?

というより、高額コレクションの整理が先決だと思います。

 

更に微妙な設定が続きます。

 

退職を控えた父親にプレゼントするスーツ 1,900,000 ウォン

(邦円換算約 213,500円)

このタグは何かのもじりのようですが、元ネタが分からず。

 

お支払いは速攻「3回払いで」

 

ハ チーム長、やはり経済感覚を根本から立て直さないと破綻必至。

ちなみにチーム長は一般企業の部長職相当、超高額報酬とは言えないでしょう。

売上に応じたデザイン料インセンティブ有と想像しましたが、それを否定するような描写が(ご丁寧にも)ありました。

 

それでも実家が極太ならと思いきや、

専業主婦の母親(ナム・ギエ)と教頭で退職する父親(ハ・テクス)

資産は自宅のみという生粋の庶民派アピール。

 

会長令嬢 ファン・チスクの学友兼お目付け役として得た援助で留学費用を何とか賄ったが、親は何もしてやれず、娘には苦労ばかりかけたと嘆く駄目押し付き。

 

そうか、ハ チーム長は苦学生時代の反動で浪費癖がついたのかもしれない。

 

 

このドラマ、こうした設定ミスを疑いたくなる矛盾が散見されます。

完全なネタバレとなるため詳述は避けますが、1-6話で物語が一旦完結。

間奏を挟み 8-12話は1-6話の変奏版。

13-16話が完結編という構成が関わるように思えます。

もう少し詳しく記すと

 

1話、小ピンチ-部分的解決

2話、中ピンチ-部分的解決

3話、未解決事項から大ピンチ勃発

4話、解決法が見つからず大ピンチが拡大

5話、意外な援助から解決の糸口が見え始める

6話、大ピンチを解消する決定打と大団円

 

7話、Interlude (間奏)

 

8話、(立ち位置を変え)再び小ピンチ-部分的解決

9話、同じく中ピンチ-部分的解決

10話、未解決事項から大ピンチ再び-解決法の模索

11話、意外な援助から活路を見出す

12話、大ピンチを解消する起死回生の一発逆転

 

13話、新局面への移行(終局への準備)

14話、最終的転換点、ギフトと決心(承前)

15話、和解と最終的決心、それぞれの別れと旅立ち

16話、新たな旅立ちとエンディング、後日譚

邪推すると元々1-2話分のシノプシスで企画を開始。

 

ソン・ヘギョを意識したストーリーで6話まで展開。

出演確定と同時にスポンサー集め。

ソン・ヘギョに応じた高額商品が並ぶことに。

 

間奏を挟み、もう一度繰り返しの12話分を決定。

更に結末の設定により16話分を確保した印象です。

 

こうした企画進行やストーリー展開は最近の韓国ドラマの定番ですが、先行きが見えてしまう難点がつきまとい、更に一部と二部、結末編の連携が悪かった事が突っ込みどころを多くしたようです。

 

また、「今、別れの途中です」は「赤い袖先」( 2021-22 MBC )と時間帯が競合。

「赤い袖先」の

全国平均 11.0 %

最低 2回 5.6 %

最高 最終17回 17.4 % 

に対し

 

「今、別れの途中です」は

全国平均 6.6 %

最高 第2回 8.0 %

最低 第14回 4.2 %

最終16回 6.7 %

という結果。

 

「2話、中ピンチ-部分的解決」が最高

「14話、最終的転換点、ギフトと決心(承前)」が最低、以降やや回復

という動きが何とも象徴的。

視聴率鉄板俳優ソン・ヘギョを持ってしても対抗しきれなかった理由が、上記した点から垣間見える気がします。

 

とか何とか愚痴ばかり言いつつ、最後まで細かく見てしまう私のほうが余程処置無しかもしれません。

 

ネタバレとの兼ね合いに悩みつつ、続きはどうしようかなあ。