昨今の情勢により、引きこもって韓国ドラマの隅っこばかりを眺めています。

 

前回、山小屋を探した、 「契約主夫殿 オ・ジャクトゥ」 ( 데릴남편 오작두 [婿殿オ・ジャクトゥ] 2018 MBC ) が、今回のお題。

 

 

まずはリストアップしやすい、登場車両の紹介から。

「オ・ジャクトゥ」は、「韓国 GM (シボレー [CHEVROLET] )」が車両サポートをしています。

 

主人公、オ “ジャクトゥ”  ヒョク (俳優名;キム・ガンウ 以下同)が、芸術財団の御曹司から借りた、GM の上級ブランド「キャデラック ( CADILLAC )」の最高級セダン「 CT6 」。

 

 

ジャクトゥに CT6 を貸す財団の御曹司、“エリック” チョ・ボンシク (チョン・サンフン)が専ら乗り回すのが、キャデラックの 2 ドアモデル「 ATS クーペ ( Coupé )」。

 

「車を何台も持っている事だけが自慢」の御曹司チョ・ボンシクは、キャデラックの大型 SUV 「エスカレード ( Escalade )」も所有しています。

 

 

ヒロインの親友クォン・セミ (パク・ミンジ)、パン・ヨンミン (ハン・サンジン)夫妻の車は、エスカレードよりもひと回り小さい(とはいえ十分大型の) SUV 「 XT5 」。

 

このドラマはもう、キャデラックのショールーム状態。

 

一方のシボレー勢はというと、

 

テレビ番組制作会社に勤めるヒロイン、ハン・スンジュ (ユイ)の車が、シボレーの小型セダン「クルーズ ( Cruze )」。

 

この車の顛末は相当に可哀想。

このシーンではヒロインを逆恨みする人物に脅迫文を貼られ、更にはタイヤに釘を刺され、果てや事故の誘発を狙うあおり運転にまで遭遇。

最後は家族の借金返済のため、売却する破目に陥ってしまいます。

 

 

主人公に横恋慕をする元彼女、チャン・ウンジョ (ハン・ソナ)が乗るのが、シボレーの主力セダン「マリブ ( Malibu )」。

 

関係ありませんが、横恋慕役は何故、ヒロインに無理やり接近しようとするのでしょうか。

黙って通り過ぎればいいものを、わざわざ車を停め乗るように促します。

 

 

ヒロインの上司、ホン・インピョ代表 (チョン・チャン)の車が、シボレーの大型セダン「インパラ ( Impala )」。

 

悪役さんらしく、交通事故を起こしても平然としています。

 

 

ヒロインの先輩、パク・キョンスク (チョン・スヨン)、オ・ジェヒョン (キム・ヒョンギュン)夫妻の車は、シボレーのコンンパクトカー「スパーク ( Spark )」。

 

2018 年製作のこのドラマは、韓国 GM の主力車種総登場の感がありました。

 

ところが翌 2019 年になると、経済の影響からか明らかに衰えが見え始め、自動車メーカーがスポンサーに付かないドラマが出てきます。

一定の視聴率が見込めそうな、KBS1 の夕方の帯ドラマだったのに。

それについてはこちらで詳しく。

 

 

 

さてと、韓国ドラマに欠かせない要素のひとつに、食事シーンがあります。

イートイン/テイクアウト形式のお弁当屋さんから、登場人物たちが出て来ます。

 

お粥の「本粥 (ぽんちゅく 본죽 )」を中心に展開する大手外食チェーン、「 BONIF 」が運営するお弁当屋さん「本弁当 (ぽんとしらく 본도시락 )」。ロゴがしっかりと露出しています。

「 BONIF 」 HP (韓国語) https://www.bonif.co.kr/

「 BONIF 」系ブランドはドラマでよく見かけます。全面展開を 以前ネタにしています。

 

 

スポンサー商品のクローズアップはお約束。「美味しいね」などの科白も欠かせません。

 

上記、キャデラック XT5 に乗るセミ、ヨンミン夫妻がテイクアウト弁当でランチタイム。

ここでも赤矢印、「本弁当」ロゴがしっかりと写ります。

 

恨めしそうに眺めているのは、パク・ジョンオク (パク・ジョンス)。

一応義母なのですが、関係性がちょっとややこしい。(正確にはヨンミンの妹の夫の母)

この後「お義母さんもどうぞ」と、息子の妻の兄ヨンミンに勧められます。ああややこしい。

 

 

 

余計な話ですが、韓国ドラマで最も露出度が高いと思われる外食チェーンは、日本では苦戦の続く「サブウェイ ( SUBWAY )」。

例えば「トッケビ」 ( 2016-17 tvN )では、店舗シーンが度々登場します。

 

関係ありませんが、日本で苦戦するファストフードを、 以前ネタにしました。
 

 

 

ジャクトゥの山小屋は、劇中ではソウルの南東約 60km 「鎮安 (ちなん)」の設定。

 

実際はソウルの東約 40km 、「楊平郡 玉泉面 龍川里」付近、「有明山 (ゆみょんさん 유명산 862m )」の中腹に建っています。山小屋探しを 前回ネタにしました

 

 

山小屋の里からバスを乗り継いでようやく到着する、ソウルに向かう最寄り駅。

 

三角屋根の古い駅舎は、実際の山小屋の麓「楊平駅」から中央線に乗車、ソウルとは反対方向に 20km ほど行ったところ。(画像では駅名が変えられています)

 

「楊平郡 砥平面 月山里」、旧;中央線「九屯駅 (くどぅんよく 구둔역 )」です。

 

旧;九屯駅は 1940 年に建てられ、建設当時のまま営業を続けていましたが、 2012 年に中央線の新ルート開通により廃駅となりました。

 

 

鄙びた佇まいからドラマに登場する機会も多いのですが、旧;九屯駅を一躍有名にしたのが、 2012 年の映画「建築学概論」。

ソヨン (ペ・スジ)とスンミン (イ・ジェフン)、15 年前の淡い恋の想い出。

 

「手をつないで線路の上を歩く」と記憶していましたが、少し違っていました。

並行する線路が、ふたりの先行きを暗示していたようです。

 

この駅について調べていて気になった事がひとつ。

旧;九屯駅を管理運営する事業体が経営難に陥り、今後の維持管理が難しくなりそうだと報じられていました。現在の状況はどうなっているのでしょうか。

 

 

 

「オ・ジャクトゥ」のヒロイン、ハン・スンジュの家。

ソウル市街の北西、鐘路区「付岩洞 (ぷあむどん)」に建っています。

 

坂道の途中の切妻屋根の家では、多くの登場人物たちが暮らしてきました。

 

思い付く限り、

「天国への扉」 ( 2006 SBS )のマネージャ、カン・サノ (オム・テウン)

「白い巨塔」 ( 2007 MBC )の内科医、チェ・ドヨン (イ・ソンギュン)

「銭の戦争」 ( 2007 SBS )の銀行員、ソ・ジュヒ (パク・ジニ)

 

最も知られているのは「華麗なる遺産」 ( 2009 SBS )のヒロイン、コ・ウンソン (ハン・ヒョジュ)でしょうか。ソヌ・ファン(イ・スンギ)が自転車を抱えて上ったりしました。

 

その後も、

「結婚してください」 ( 2010 KBS )のキム・テホ教授 (イ・ジョンヒョク)

「愛するウンドン」 ( 2015 JTBC )のソ監督 (ナム・ギョンウプ)

等々、もうドラマ専用かと思うくらいの登場頻度です。

 

 

山側から見た切妻屋根の家。多様な角度から撮れるのが、ロケ用住宅の条件です。

 

ドラマには使われていないのに、背景として写った事もあります。

「最高の愛」 ( 2011 MBC )、ユン・ピルジュ (ユン・ゲサン)とク・エジョン (コン・ヒョジン)が、久しぶりに会う場面。

 

ふたりが立つのは、鐘路区「清雲洞 (ちょんうんどん)」、「清雲公園 (ちょんうんこんうぉん)」の北西の角。

このシーンひとつで、あれ、ク・エジョンの家もここだった ? と錯覚しそうになりました。

 

 

「最高の愛」のク・エジョンの家はこちら。

ソウル市街の西、西大門区「新村洞 (しんちょんどん)」に建っています。

 

この家も複数のドラマで使われたはず。

ただ、「君の声が聞こえる」 (2013 SBS)のチャン・ヘソン弁護士 (イ・ボヨン)の家しか思い出せませんでした。

そして、住所確認のためロードビューを出動させるも、何故か見つからない…

 

 

 

見つからない筈です。何と 2017 年に、立派な 4 階建て住宅に建て替えられていました。

(カカオマップから画像を借りました)

 

こうしてまた、ロケ地のひとつが消えていました。

やはり行ける時に行っておかないと、なんて思ってみても、再び気軽に訪れる事が出来るようになるのは、一体何時の事でしょうか。

 

そんな感慨を抱きつつ、

 

もう少し、つづきます。