芸能界にも海外留学や教育移住の
波がきていますね。
みなさん、お子さんが未就学のうちから
各国へ移住されているようです。
一般家庭の中でも、
お子さんが小さなうちに海外へ渡る
ファミリーが増えています。
わが家は、
上の子は10歳、下の子は6歳で
それぞれ海外での生活を経験しています。
なぜ、そのタイミングだったのか…は
またどこかで触れたいと思いますが、
ひとえに上の子のタイミングが
その時だったというだけのことです。
そして、
二人を比較して親として思うのは、
下の子は苦労するだろうな…
ということです。
下の子が海外で過ごしたのは、
たった3年程度です。
一方で、上の子が海外で過ごしたは
トータル7年です。
二人に英語と日本語について
聞いてみると、
興味深い答えが返ってきます。
海外生活が下の子の2倍以上の上の子は、
日本語の方が全然楽
だと言います。
一方で、下の子は・・・
これは意外だったのですが、
常に英語で考えている
と言うのです。
私は、初めてそれを聞いた時、
下の子の思い込みだと思いました。
だってですね、
6歳になるまでの6年間はずっと
日本語で暮らしていたわけです。
たった3年の海外生活で
英語が日本語を
逆転するわけがない!
と思い込んでいたのです。
しかし、
私たちの周りの子どもたちも
同じようなことを言うのです。
たとえば、6歳と5歳で海外に渡り、
5年英語環境で過ごした姉妹のお友だち。
11歳と10歳になる年に帰国。
それからずっと日本の公立に通い
日本の高校に進学しました。
そして、
今だに姉妹間の会話は英語だし、
日本語より英語の方が楽だと言います。
日本語で受験をしているのにも
関わらずです。
そのことについて、
そのママと話したことがあります。
やはり、
就学するときの言語が大事
だということを。
このような話は、
駐在界隈のお友だちや先輩ママ
との間でもたまに話題になります。
就学前後の数年間は、
その子の「考える言語」に想像以上に
大きな影響を与えるのかもしれません。
もちろん、何歳で海外に渡ったら
必ずこうなる、という話ではありません。
家庭で使う言葉や、
現地校か日本人学校か、
帰国後にどんな教育を受けるかによっても
大きく違うと思います。
それでも、二人の子どもと
周囲の帰国子女たちを見ていると、
どの言語で「学び始めたか」
ということは、
私が当時考えていた以上に
その後に影響するのだと感じます。
小さな子どもがティーンエイジャーになり、
さらに大人になった姿まで想像するのは
なかなか難しいものです。
けれど、
将来、どの国を生活の拠点にしたいのか。
どの言語で学び、考え、働いていくのか。
ぼんやりとでも、
長い時間軸で考えておくことは
とても大切だと思います。
そして、外国で生きていくことは、
外から見えるほど華やかなことばかり
ではありません。
言葉だけではなく、
文化や習慣、人間関係のつくり方まで
違う環境で自分の居場所をつくっていく。
それは、体力的にも精神的にも
決して簡単なことではありません。
だから私は、
「海外の有名大学に進めたら」
「海外で高収入の仕事に就けたら」
という将来像だけを先に置いて、
幼い頃の海外生活を考えるのは
少し慎重であってもいいと思っています。
海外大学や海外就職は、
親にとって魅力的に見える選択肢
かもしれません。
でも、そこを実際に生きるのは
親ではなく、子どもです。
そもそも本人が、
海外で暮らしたいと思うかどうかも
わかりません。
日本で生きたいと思うかもしれない。
日本語で考え、日本語で働きたいと
思うかもしれない。
そのとき、海外で身につけた英語が
大きな強みになることもあれば、
反対に、日本語で深く考え、読み、
書くことに苦労する可能性もあります。
わが家の下の子を見ていて
「この子は苦労するだろうな」と思うのは、
日本語と英語、二つの言語の間で、
自分が生きる場所を選んで
いかなければならないからです。
家の事情で就学前から海外で学ぶように
なった下の子には
少し申し訳なく思う気持ちもあります。
だから、多少うるさいと思われても、
日本語の習得については
これからも貪欲でいたいと思っています。
大変なのは、子ども本人なのです。
海外へ渡った当時の私たちは、
英語を身につけることばかりを考えていました。
日本語はすでに話せるのだから、
この先も自然に身についていくだろう。
日本人なのだから、日本語で困ることはないだろう。
どこかで、そう思っていたのです。
けれど、海外で学ぶということは、
新しい言語を一つ「足す」だけではありません。
英語で学ぶ時間が増えれば、
その分、日本語で学び、考え、
言葉を深めていく時間は少なくなります。
そこに、
私たちは気づいていませんでした。
英語が話せるようになれば、
子どもの選択肢は広がる。
それは確かに、間違いではないと思います。
でも、選択肢が増えることと、
どちらの言語でも不自由なく生きられることは、
同じではありません。
海外で暮らした経験を
後悔しているわけではありません。
下の子が英語で考えられることも、
彼が身につけた大切な財産です。
だからこそ今は、
英語を伸ばすことだけではなく、
日本語で考え、読み、書き、
自分の気持ちを表現する力も
意識して守っていきたいと思っています。
もう数年経ったら、
英語教育やインターナショナルスクールブーム、
留学や移住に対する意識や考え方も
少しずつ変わって行くのだろうな…と、
思っています。