9月23日。
午前7:30。
某グラウンド。

連休最後の日は、ようやく朝日を浴びながら目が覚め。
久々にフリー機のハンドランチ・グライダーで"体力作り”に出かけた。

用意したのは、主翼長350mm・機体総重量25gクラス。
これらの機体も、既に何年目か?忘れるくらい付き合いの長い物だが。
古くて2018年製。
材料はヒノキ・バルサの木材と鉛=オモリだけ。
御覧の通り動力も何も無く、文字通り"手で投げる”だけ。
まあ……紙ヒコーキの木製版といった感じの、飛ばすタイプの模型飛行機の中では最もシンプルなカテゴリーだ。

だが………決して甘く見ることは出来ない。

そのシンプルだからこそ、上手くフライトを成功させるのは一朝一夕ではなく。
大袈裟に聞こえるかも知れないが、それこそ"血と汗の滲む”覚悟が必要なのだ!
まずは材料確保。
ホームセンターへ行ってヒノキ板棒とバルサ板シートの二種類程を買ってくる。
他に釣具店かそこらへ行ってオモリ用の鉛を買って来る。
次に………これが難関、ネットでも書籍でも良いが、航空工学そのもの或いは模型飛行機の作製法の中のハンドランチ・グライダーの作り方を調べ学習し、自分で図面を引ける程までになる。
そこで初めて作製に取りかかる。
図面を元にバルサ板やヒノキ棒を切り出し、バルサ板は目標の翼の形になるまで額に汗しながら懸命にサンドペーパー等で削り出す。
そして胴体に主翼と水平・垂直尾翼を接着剤で取り付けるのだが、水平尾翼に関しては普通に取り付けてはいけない。
そもそもフリーフライト機は、真っ直ぐ飛ばす物ではないからだ。
ここでは右利き=右投げの場合を参考にする。
ワザと左に旋回しながら滑空させる為に、水平尾翼は正面向かって少し右肩上がり(要するにナナメ)に接着。

………これで、やっと素組は完了。

更に場合によっては表面にシンナーで薄めたクリアラッカーを塗布し、乾かしては再びサンドペーパーで研磨、再びクリアラッカー塗布………を繰り返し。

最後に図面通りの機体重心を出す意味で鉛=オモリを機種に取り付け、バランスを取り。
ようやく一応の完成を見る。

さて………何とか機体の完成を見たら、それでも終わりではない。
まずは滑空テストを行い、ちゃんとバランス良く機体が大気を滑って行くか………確認し。
それで"合格”のようなら今度は野球のボールを投げるような感覚で最初は機体を軽く投げてみる。
思い描いた"飛行パターン”=投げた直後は右側上空へ上昇し、頂点に達したら左旋回をしながら下降して来るのを確認する。
そのようにして………徐々に力を入れて本気で投げて行く!
たが………そこで無慈悲なことも起こり得る。
投げ損なって、機体が地面に突っ込み。
せっかく苦労して作った機体が木っ端微塵に砕け散るリスクも伴うのだ!
そう………ハンドランチ・グライダーは。
"作る技術”だけでなく
"投げる技術”も必要とされるのだ!!
また、図面通りに作製出来たとしても。
まともに飛ぶ機体が出来るとは限らない。
こちらの写真のような高度やソアリングを獲得出来るのは、初心者の初っ端では無理と言われている。
相手はシンプルな木材の削り出し………
果たして、作り方が悪かったのか?
自分の投げ方に問題が有るのか?
分からずに頭を抱えこみ、何度もトライして終いには機体を壊し瞬間接着剤で直しては投げ直し、体力も消耗し汗だくとなり。
気が付けば疲労困憊&瞬間接着剤で指がガビガビとなった自分と………無惨な姿の機体だけが残る。
この私目も、何度も心が折れそうになった。
"…………俺は一体、何をしてるんだ?”
と。
しかし。
このような苦労を伴いながらも報われない?フリー機ハンドランチ・グライダーにも
"楽しくて仕方が無い!”
といった方々も存在するのに驚く。
私所持のRC機
「ひばり」
「あおさぎ」
「こさぎ」
の設計者であるS氏も、その御一人だ。
………このカテゴリーを苦手科目とする私目ではあるが、その気持ちも理解出来なくも無い。
そうした"昭和のスポ魂”並みの労苦を超えた先に辿り着く、サーマル・ゲットの瞬間………
機体のソアリングする姿………
それらが全てを洗い流してくれるのだッ!
今現在もフリー機ハンドランチ・グライダーを作り、飛ばし続けるS氏は。
とても私目より10も御齢を召しておられるとは思えない程、健康でおられる。
頭脳&体力双方を維持し得るフリー機ハンドランチ・グライダーは、もはや単なる模型飛行機ではなく。
健康維持と長寿への最たるルーティンであると言って過言ではない。