その日。
夏休み二回目のデートで、再び海へ出かけた烈貴と美葉。
既に8月も20日を過ぎ、海水浴場も人影はまばら………かと踏んでいたが。
その年の夏は異常な暑さ………残暑となっており。
各海水浴場の海の家等の営業も、例年より延長する場所も多かった。
中でも、前回二人の行った海岸の近くにある海水浴場は特別に公共の施設で賄われており。
他の海水浴場と比べ砂浜が広く、水際からは若干遠いが、シャワー室や更衣室も無料というメリットを持っていた。
美葉から、デートの行き先を「海」と希望された時。
二階の自室のドアを開け、そっと耳を澄ますと聞こえて来る。
"烈貴に変なこと吹き込まないでよッ!!”
ああ………やってる、やってる。
と?
何かイヤな視線?を感じ、烈貴が振り返ると…………
隣りの個室のドアから妹の茉莉も顔を出し、烈貴を睨み付けている!!
「………チッ!」
舌打ちをして、茉莉はドアを閉じた。
まったく………
ウチの女どもって、どうしてこうヒステリックなんだろ?
"普通に男女交際”するのが、そんなに悪いことなのか!?
こういう時、烈貴は"リア”の男友達が欲しいと思った。
何か、同じカテゴリーで悩みを分かち合える仲間?みたいな存在が居てくれたらと。
だが、8月の夏休み現在………そうしたデータは取得していない。
もはや、父・正和さえも"迫害”を受けている。
ふと、烈貴は思い出した。
(先輩のカレシさん………)
あの莉奈のカレ、雄馬は。
心が広く、包容力もあると聞いていた。
(一度会って、話してみたい)
不思議に烈貴は、そんな考えが浮かんだのであった。
さて、海。
烈貴の想定通り、試着室などとは違い。
海での水着姿の美葉は可愛さ・瑞々しさ100倍であった!
真夏の照りつける太陽の下、美葉の肌は眩し過ぎた。
美葉の方はというと、逆に想定外であった。
生々しい表現だが、同年代の"男の裸”を見たのは小学校の水泳の授業以来!
(意外と………引き締まってる。
大人っぽい!)
美葉が新しい水着を用意したように、烈貴も海パンを新調していた。
烈貴の、そんな姿を初めて目の当たりにした美葉の感想である。
美葉もまた、"リア”の女友達が皆無。
男の子って………といった相談や体験談など話せる存在が居てくれたら、と思っていた。
スマートフォンを開けば、そんな情報など直ぐにでも閲覧出来る現代。
この二人は"リアル”で乗り切ろうてしている。
しかも互いに「恋愛初心者」だ。
正和の言っていたように………
"何かが起きる”夏になるのだろうか!?
続く
〈何かが起きる?夏・完〉
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