………………麻衣との戦闘により、稼働不能となったイスロ戦闘インセクタロイド・グレイマンティス。

その戦闘の後、現場にはマルティネス率いる地元警察部隊の車両、そして"ジム”マッケンジー捜査官率いるFBIと剣持刑事37歳の乗るヘリコプターが駆け付けた。
更に現場上空にはパウエル少佐自ら操縦含め米国特殊部隊攻撃ヘリコプターが待機する。
彼らは一旦、米国へ帰国していたが。
グレイマンティスの首都襲撃により、再び◯✕国政府からの要請で戻って来たのだった。

それより一足早く、未だ同国内に居たキッド三人衆が辿り着いていた。
この闘いで麻衣がピンチの際、知らずのうちに自ら発していた
"タスケテ”
のコールサインを受信していたのであった。

一歩遅れて日向、華裏那、ナタリアも駆け付ける。


「………ったく、どこのインテリか知らんが。
また趣味の悪いモン造りやがったな」

グレイマンティスを眺めながら、人間形態のカイトが吐き捨てるように言う。


「Absolutely.
The cat-shaped one is much better」
(ホント、ネコの方が全然マシだったよね)

おどけたように返すケビン。


「But Mai's potential is incredible!
How did she manage to defeat something like that all by herself?!」
(しかし、麻衣のポテンシャルは凄まじいぜ!
よく、こんなの一人で倒せたな!?)

マーフィが目を丸くして感心する。


ヒューマノイド形態のままの麻衣の姿を見つけた、華裏那が抱き締める。

「麻衣!!
無事で良かった!
…………ごめんなさい、間に合わなくて」

「………ううん!
平気平気!!
言ったじゃん?
わたしだけで大丈夫だって」

華裏那に抱かれながら笑う麻衣であったが正直、恐怖を感じた瞬間もあった。
しかし。
これまで、皆の助けを借りずには何一つ解決出来なかった自分。
今度こそは自分一人の力で克ちたかった!
まさに、いつも助けてくれた姉に対し麻衣は誇りたかったのだ。

父親・日向も麻衣の姿を確認し、安堵の表情を見せる。

「麻衣。
損傷箇所は無いか?
エネルギーは?」

父の方へ向き直る麻衣。

「だから、平気だって!
ピンピンだよ、ホラ。
お父さん知らない技だけどさ、クリティカル電TheEndとDualショット、1回ずつしたけどエネルギー余裕だよ」

麻衣は、ワザと少しウザそうな表情を見せる。

「………そうか、美枝に感謝しないとな」

苦笑いする父・日向。
そこへ………

「真行寺さ〜ん!!」

見ると、剣持が手を振りながら駆け寄って来る………が。
華裏那の姿を見つけ、ギクッ!とする。
(アチャ〜!
また遅刻だ!!)
また、叱られる!?
思わず硬直する剣持。
だが当の華裏那は至って笑顔。

「あら、警察の方?
こんな遠くまで、ご苦労様ですね」

剣持は胸を撫で下ろす。
(良かった〜、今日は機嫌がいいみたいだ)

華裏那は。
妹も無事であり、自身も"婚約”が決まり。
まさに、この世の春を感じていたのであった!
剣持が報告する。

「真行寺さん。
向こうの支度は整いましたよ!
あとは準備出来次第、向かいましょう。
日向先生も、よろしくお願いします」

そうだ。
やっと…………人間に戻れるんだ。
毎日、毎日、あれほど恋焦がれていた瞬間であった。
しかし、何だろう?
つい先ほどまで一緒に死闘を繰り返して来た、このヒューマノイドの身体に。
今更ながら別れの寂しささえ浮かんで来る。

麻衣は、見慣れぬ短髪の若い女性を見つけて尋ねる。

「この人は?」

その女性、ナタリアについて。
日向が説明しようとするのを華裏那が制し、答える。

「彼女も、人質だったの。
もしかしたら日本へ移住するかも知れないから、一緒に居るのよ」

華裏那は、麻衣が
"再度の父親の浮気”
を疑うのを防いだのであった。

………しかし!
ナタリアの自己紹介が、せっかくの華裏那の根回しを危うくする。

「You're Mr. Hyuga's second daughter, right?
I'm Natalia.
Your father is such a kind person!
He stayed in the same room with me the whole time and held me close」
(あなたが、Mr.ヒュウガの二人目の娘さんね?
アタシ、ナタリア。
あなたのお父さん、とっても優しい人ね!
ずっと二人一緒の部屋に居て、抱き締めてくれてたの)

ウットリ顔のナタリア。

対して………次第に雲行きが怪しくなる顔の麻衣!
「お・と・う・さ・ん!?」

「待ってくれ!麻衣!!
違うんだ、これには理由が」
「何が"違う”の!?💢」

日向が言い訳することなど無いはずだが。
うろたえる態度が、かえって疑惑を呼ぶ。
華裏那は腹を抱えて笑っていた!


現場上空では。
攻撃ヘリコプターに乗るパウエル少佐がグレイマンティスを見下ろし、他の隊員達に指示していた。

「Listen up!
This monster's eyes are gone, but its heart is still alive.
If it even twitches, launch a full-scale attack!!」
(いいか!?
このバケモノは目玉はやられてるが、まだ心臓は生きている。
ピクリとでも動いたら総攻撃開始だ!!)


その頃………同国首都検察庁。
おおよそ、ここの国民がそうであるように、皆TVニュースに釘付けとなっていた。
未明に首都に出現し、暴れ回っていたグレイマンティスについて。
未だイスロ製軍事ロボットであるという情報は一部の者しか知らなかった。
ただ、そのロボットが郊外の公園内で何者かに破壊され、ようやく動きの止まったというニュースは人々を安堵させた。

留置場の檻の向こうから話を聴いたドメニコは、愕然とした。

「あ、あの無敵なはずのグレイマンティスが………破壊され動きを止めただと!?
信じられるか!!

声高に叫ぶドメニコを、監視員が叱りつける。

「¡Tranquilizarse!」
(静かにしろ!)

ドメニコは確認する。

検察庁の職員達は、皆ニュースを見る為にTVに集まり、事務所は手薄になっている。
その監視員もニュースを見たいのだろう、ドメニコを一喝すると、すぐに立ち去ろうとした。

ドメニコは、ワザとそれを引き留める。

「Por favor.
Quiero hablar con mi madre.
¿Podrías devolverme mi teléfono inteligente aunque sea un ratito?」
(お願いだぁ。
母親と話がしたいんだよ。
ほんの少しだけでいい、スマートフォンを返してくれないかな?)

監視員は面倒臭そうに無視して去ろうとする。
するとドメニコは先ほどより更に大きな声を出し、泣き始めた。

「¡Mamá!
¡Mamá!
¡Te extraño muchísimo!」
(ママぁ〜!
ママぁ〜!!
会いたいよぉ~!!!)

ほとんど絶叫に近い声で泣き叫ぶドメニコ。
連日司令室でナタリアを思い、泣き叫んでいた為、喉が慣れて良く響いた。
カラオケと同じである。

怒り心頭の顔で監視員は戻り。
所定の場所からスマートフォンを袋ごと持って来てドメニコの檻の隙間から放り込んだ。

「¡Devuélvelo enseguida!」
(直ぐに返せよ!)

言い捨てると監視員は立ち去った。

ドメニコは豹変し。
ほくそ笑み、直ちに連絡先から一つを選び出す。

「是我。
我现在被关押在检察院◯楼的拘留室里……」
(私だ。
今、検察庁の◯階留置場に居る…………)

その日の夜中。
検察庁に何者かが侵入し、留置場の檻の施錠が壊され…………

ドメニコは脱走した。


〈ドメニコ、脱走・完〉


※文中の団体・組織名及び人名は実在するものと一切関わりありません

キャラクター・画像アプリ;

YouCamPerfect

Picrew.me 

ChatGTP

Gemini