…………3月10日は。
D大附属第一高等学校の卒業式であった。
由美香も補習の甲斐有り。
晴れて卒業証書を手にすることが出来た。
当日は剣持刑事37歳も駆けつけ、感無量の式となった。

在校生である、麻衣と栄太も祝福する。

「北原さん。
おめでとうございます!」

「おう!
ありがとよ!!
麻衣、あんたにはマジいろいろ世話になったし。
…………正直、このガッコでダチなんか作れねぇって思ってたけど。
ウチらはガチで戦友だ!
これからも何かあったら呼んでくれ。
チカラになっから!!
…………栄太!
おまえもだ!!」

「ハイ!先輩!!」


「北原さんも、花嫁修業頑張ってくださいね!!」

麻衣がそう言うと、由美香も剣持をチラリと見て赤面しながら公言する。

「おうよ!
サッカーチーム出来るくらい、子供作ったるわ〜!!」

思わず周囲が振り向く。
剣持がズッコける。
笑顔溢れる、めでたい門出であった!




…………それから10日後。

麻衣を始め、ゲリラ式戦闘ヒューマノイド5体は"機上の人”となっていた。
プライベートジェットでの出国手続きは。
専用ターミナル利用により一般客の行列を避けることが出来、大幅な時間短縮が可能となる。
更に専用の動線でプライバシーを確保し、保安検査や手荷物預けもスムーズに行える。
また、通常の定期便と同じく保安検査も必須とはなるが、ペースメーカーや人工心臓など磁気や金属探知機の影響を受ける機器又は人口関節等を装着している場合、保安検査場にて検査係員に申し出を行うと、機器に影響のないパット・ダウン(同性の検査員が手で触れて不審物が無いかを確認)という検査方法でクリアでき。
又、搭乗に支障の無いと見られる場合は特に医師の診断書も必要無いとされている。
ゲリラ式戦闘ヒューマノイドは"人口心臓”であり"人口関節”であるどころか"人口全身”であるが。
人間形態時の感触はほぼ生身の人間と同様な為、全員がパット・ダウンで検査をクリア出来。
無事、全員搭乗を果たせた。



副操縦士席のカイトが皆に得意気に言う。

「この機体はチィとばかし型遅れだが、性能はそこそこなんで心配いらねェからな!
…………ヘビどもが何日も波に揉まれて来たルートを、オレらはたったの半日で行ける!!」

麻衣は…………
どんどん遠のいて行く祖国の姿を、雲海の中へ消えるまで見送っていた。
空港まで見送りに来た母、美枝。
そして……栄太と最後に交わした言葉、抱擁の温もり。
そして……
生まれて初めて交わした、くちづけを。
麻衣は思い出していた。

しかも…………

(よりによって、お母さんの前で!)
「キャー♡」

突然の麻衣の様子を、華裏那が気遣う。
「麻衣!!
どうしたの!?
気分悪いの!?」

「…………ううん。
ゴメン、何でもない」
麻衣は誓った。
(もう、何が何でも元の身体取り返して、もいっぺんチューするんだ!
普通の女の子に戻って!!
栄太…………待っててね♡)
愛は人を強くする!

〈門出・完〉

※文中の団体・組織名及び人名は実在するものと一切関わりありません
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