令和◯✕年1月29日未明……………附属第一高等学校含むD大学園板橋キャンパス内へ国際テロ組織イスロ対外派兵師団極東部隊が侵入、人質を取り、立て籠る事件が発生。
警視庁は予め設置のロボット・テロ対策本部(諸原警視を本部長とする)より、主任として都内◯✕署所轄の剣持巡査部長以下巡査複数名。
他、特殊急襲部隊(SAT)の現場出動を指示した。
ゲリラ式戦闘ヒューマノイド・華裏那の強烈な前蹴りをまともに喰らい吹き飛ばされ、暫くは立ち上がることも出来なかったセルピエンテ。
腹部に激痛が走る。
何処か内臓の破裂も起きているらしく、貧血も発生し意識が遠のく。
14名(デビッド含む)の兵士と40体もの戦闘ヒューマノイドという数を以てすれば、たかだか6体程度のゲリラ式戦闘ヒューマノイドなど一溜まりも無いに決まっている…………セルピエンテは、そう安直に考えていた。
ところが、今の状況はどうだ?
その6体のゲリラ式戦闘ヒューマノイドは全くの無傷。
対して自軍の戦場型戦闘ヒューマノイド40体は結果的に使い物にならず、そればかりか兵士のほとんども壊滅状態。
何より計算外であり想定外だったのはゲリラ式戦闘ヒューマノイドの知能だけでなく、人質であるはずの日本の子供達の"戦闘能力”であった。
日本国民は平和ボケしている、警察も民間人も取るに足らない………………
そう、息巻いていたドメニコを改めて
"知った被り”
であったことを、セルピエンテは思い知らされたのだった。
「日本人はサムライやカミカゼの子孫だ………よくよく考えりゃ、わかるだろうが!
日本通だと?
バカ言ってんじゃねぇ!
腐れ外道が!!」
口元から血を滴らせながらもドメニコへの悪態をつくセルピエンテは、地面を這いつくばりながら軍用トラックへと辿り着く。
「ぐっ………!」
激痛をこらえながら荷台の中に手を伸ばし、置いたはずのPCを探る。
(PCだけは渡せない!)
戦闘ヒューマノイドのオペレーションシステムの他に、イスロの機密データが詰まっており。
仮に、これでイスロとは縁を切るとしても、その機密データで"揺する”ことも出来るからだ。
自軍の部隊は壊滅に近く。
ゲリラ式戦闘ヒューマノイド達は健在、日本の警察の特殊部隊までも到着した今現在………
セルピエンテに残された道は、そのPCを持って"高飛び”する以外に無い。
計画は失敗に終わった。
敗北を認めざるを得ないのだ。
「………!?」
無い………
先程置いたはずの PC が見当たらない!
血眼になって探すセルピエンテの背後へ声がかかる。
「探してるのはコレかい?
ヘビちゃんよぉ」
振り返ると、人間形態に戻ったカイトがPCを片手の指でクルクル回している。
由美香になぎ倒された戦場型戦闘ヒューマノイド達を、もう一方の手で指差しながら退屈そうに語るカイト。
「………まあ、予想通りだったが。
こんなデク人形のタバをあてがわれながら、わざわざ苦労して日本まで長旅。
さらに泣きっ面に蜂か。
つくづくカワイソウな奴だな、オメェも」
傷んだ腹部を押さえながら、カイトを睨み付けるセルピエンテ。
カイトは同情する様子を表情に見せながら続ける。
「ホントはオメェを蒲焼きにしてやろうと思ってたが、あんまカワイソウだから勘弁してやるわ。
その代わり、大人しく日本のポリスに投降しな。
そんなんでイスロに戻ったところで、骨折り損のくたびれ儲けだ。
悪いこたァ言わねぇ。
日本のブタ箱に収まる方が、全然待遇マシだぜ」
今のセルピエンテにとって、同情を受けること程の屈辱は無かった。
内臓機能の悪化による貧血と痛みに耐えながら、目の下にクマが出た顔で息巻いて見せるセルピエンテ。
「………だ…黙れ!
機械仕掛けが」
既にカイトからPCを取り返す体力も残っていない。
しかし、PCは諦めたがセルピエンテは背中を向け、力を振り絞り軍用トラックのドアを開けて乗り込む。
「?」
カイトが唖然としていると、直ぐに軍用トラックのエンジンがかかり。
急な勢いでバックして来る!
「うわっ!」
PCを持ったまま、カイトは寸での所で飛び退き。
引かれるのを防いだ!
運転席側の窓からセルピエンテは口から血を迸らせながら吠える。
「この俺を誰と思ってやがる!?
タダじゃ済まさねェ!」
一台の軍用トラックが暴走し始めたのを、剣持達警察側も気付いた。
「誰が乗ってる!?」
剣持の問いに、隣りに居た麻衣が軍用トラックの運転席を見て言った。
「セルピエンテ……セルピエンテ・ペドロサ!
このテロの首謀者!!」
セルピエンテは一端バックした後、キャンパスの出入り口へ向けて軍用トラックを発進させた。
自分一人だけ逃走するつもりだ!
「逃すな!!」
剣持の指示でSAT以外の警官達がパトカーへと走る。
しかし、そのパトカーを軍用トラックで踏み潰し回り、走行不能にし。
窓から青白い顔を出し、嘲笑うセルピエンテ。
俺は、毒蛇セルピエンテ様だァ~~~!!」
麻衣は全身の電流を両腕に集中し始める。
お母さんを酷い目に遭わせた………みんなに恐怖を与えたアンタを絶対許さない!!」
「クリティカル!」
ドドドドーン
ドーン
強固大型な軍用トラックも、クリティカル電 The End によって四方八方に砕け散った。
炎の残る残骸の中で、何かが這いずっている。
硝煙と血にまみれたセルピエンテだ。
「う………うう……」
虚ろな意識の中でセルピエンテは、自分に誰かが近付いて来るのに気付いた。
見上げると………
剣持刑事37歳が見下ろしている。
「セルピエンテ・ペドロサ。
国籍不明。
午後3時20分、不法入国罪、殺人未遂罪、器物損壊罪、強要罪、建造物侵入罪、威力業務妨害罪、組織犯罪処罰法違反、テロ等準備罪で逮捕する!」
腕時計で時間を確認し、伝え終わると剣持は。
うつ伏せのままのセルピエンテの左手首に手錠をかけた。
"毒蛇”の異名を持ったイスロ参謀セルピエンテ・ペドロサは、力尽きて顔を落とした。
………事件は収まった。
負傷程度に関わらず、イスロ兵達が警視庁SATと制服警官達によって続々と身柄を確保されて行く。
その中に、デビッドの姿があった。
麻衣は剣持に懇願した。
「剣持さん!
この人は悪くないの。
協力もしてくれたの!
だから、どうか逮捕しないであげて!!」
しかし、剣持は表情を変えずに言った。
「それは、この場で決めることではない。
全ては取り調べによって決められなくてはならない」
それでも麻衣は食い下がる。
「この人………デビッドは、良い人なの!
騙されてイスロに入っただけなの!!」
だが剣持は麻衣と視線を合わせようともしない。
やり取りを見ていた由美香も助言する。
「ねぇダーリン。
この子の言うこと、信じてあげてよ」
由美香に向き直る剣持は、険しい表情で言う。
これは任務であり、僕の職責なんだ」
3人の様子を見ていたデビッド本人が、穏やかな表情で麻衣に告げた。
「That's enough.
No matter what the reason, I have to pay for the crimes I've committed.
Ms.Mai...I'm grateful that you understood me.
And...thank you for protecting me!」
(もう、いいよ。
どんな理由があろうと、自分の犯した罪は償わなくちゃならない。
麻衣さん………僕を理解してくれたことに感謝してるよ。
警視庁に押収される物、そのまま廃棄される物がごった返し。
直ぐには元通りになりそうに見えなかった。
千葉沖近海で部隊の帰還を待っていた、イスロ揚陸艇は。
折からの悪天候により操舵不能となり漂流していたのを海上保安庁巡視船が発見。
乗組員の兵士3名の身柄を確保し、警視庁本部へと引き渡した。
〈毒蛇の最期・完〉
※文中の団体・組織名及び人名は
実在するものと一切関わりありません
キャラクターアプリ;Picrew.me ChatGTP
Gemini











